KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.28 仲間を支える総務の仕事を誇りに。

2022年6月29日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

 

 

 

 

仲間を支える
総務の仕事を誇りに。

 

 

vol.28  澤藤 碧(さわふじ あおい) 20歳

 

 

インターンシップで運命の出会い。

 

 

澤藤 碧(さわふじ あおい)さんにとって、4年前の高校2年生の夏に体験した3日間のインターンシップは忘れられない時間となりました。

 

 

「高校では商業について学んでいたので、就職先もその勉強を活かせる事務の仕事に就きたいと思っていました。ですからインターンシップに参加するときも事務の仕事を体験したいと希望を出して、先生に紹介されたのが今の会社だったんです」

 

 

 

 

それが、碧さんが現在勤める「北上鐵工株式会社」でした。

 

 

北上市で半世紀の歴史を刻む同社は、大人の背丈よりも大きい大口径の水輸送管をはじめ、標識柱、風力発電鉄塔、照明塔などの鋼管や水管橋などを手掛けており、お客さまの多様なニーズに合わせて設計から製作・塗装まで一貫対応。その優れた技術力により、国内はもちろん、標識柱などは海外にも納品されるなど高い信頼とともに現在も成長を遂げています。

 

 

しかし……。

 

 

▲「北上鐵工」が手掛ける製品は、北は北海道から南は沖縄までカバー。さらに右下の標識柱は海を越え、遠くキルギスで活躍。

 

▲大人の背丈より大きい水輸送管。「北上鐵工」の製品は、暮らしに欠かせない水のインフラを支えています。

 

 

「実は私、北上市にずっと住んでいるんですけど、先生に紹介されるまで『北上鐵工』という会社を知らなくて……」

 

 

そう言って笑顔を浮かべる碧さんですが、当時は初めて聞く会社で、「鐵工」という仕事の内容もピンとこず、憧れといえど事務の仕事も初めての経験で、「どんな会社なんだろう」という不安と緊張でドキドキしながら初日のインターンシップを迎えたそう。

 

 

しかし……。

 

 

▲インターンシップの様子。碧さんは当時、高校2年生。碧さんに仕事を教えている女性は、現在の上司。

 

 

「事務の仕事はもっとひとりで黙々とやるものだと勝手に思い込んでいたんですけど、そういう雰囲気ではなくて、みなさん気さくに話しかけてくださるし、私の方からも気軽に相談できる感じで楽しく3日間を過ごすことができました」

 

 

そう語る碧さんですが、「楽しかった」理由はもちろんそれだけではありません。

 

 

「みなさんがやっている仕事を、ふつうに私にも体験させていただいたんです。総務なので給与計算や請求書の発行だけでなく、本当にいろいろな仕事があるのですが、私が高校で学んだ商業の知識も活かせるし、銀行の窓口にもいっしょに連れていっていただいたのも新鮮で、こういう仕事もあるんだと勉強になりました」

 

 

こうして大きなミスもなく3日間の充実したインターンシップを終えた碧さんには、しかしある不安が……。

 

 

 

▲インターンシップでお世話になった方が、今は頼れる先輩に。

 

 

ここで働きたい……。募る想い。

 

 

「ぜひ、この会社に就職したいと思ったのですが、高校の就職活動がはじまるのが3年生の7月からですし、私のときは過去5年間『北上鐵工』の求人がなかったんですよ。学校では過去の求人票が見られるので、それがわかったときは私が3年生になったとき『求人が来なかったら』と思うと心配でした」

 

 

 

 

「北上鐵工」の求人がない場合を想定して、碧さんは他の企業の過去の求人票もチェックし、見学にも行ったりしながら何社かアタリもつけていたそうですが、調べれば調べるほどインターンシップで体験した3日間が忘れられず、ドキドキしながら3年生の7月を迎えることに。すると……。

 

 

▲碧さんが働くオフィス。目の前には芝生の広場があり、春から夏にかけて特に美しいそう。

 

 

「北上鐵工の求人票を見つけたときはすごくうれしくて、すぐ応募しました(笑) でもコロナの影響で面接が1ヵ月のびたり、面接のときも他に受ける方もいて、ずっと不安でした」

 

 

そう語る碧さんですが、面接では緊張しながらも「インターンシップ」のこともしっかりアピール。そのお陰かどうかはさておき、碧さんは念願叶って昨年の2021年春に「北上鐵工」の事務として就職が決定し、現在に至ります。

 

 

さて、入社から2年目となる現在、仕事は楽しくできているのでしょうか?

 

 

▲敷地内にある工場。お客さまの多様なニーズに合わせて、設計から製造・塗装までを一貫対応。ここでつくられた製品が日本全国、果ては海外へ。

 

▲製品を運ぶフォークリフトの運転は女性も活躍。

 

▲赤が映える門型クレーンはペンキ塗りたて。大口径の水道管をトラックに積み込むために活躍。

 

 

任せられる喜び。「支える」ことがやりがいに。

 

 

「インターンシップのときも楽しかったですが、今も高校で学んだことが活かせる仕事ができていますし、私ひとりに任せてもらえる仕事も増えて、そうした仕事をミスなくできるとうれしいんですよね」

 

 

碧さんはそう言って笑顔を浮かべます。仕事は給与計算、請求書の発行など経理の仕事から、勤怠管理、保健の手続き、福利厚生の対応、さらに求人採用、広報の仕事と幅広く、それだけに新しくチャレンジすることも……。

 

 

▲碧さんが担当している掲示物。みんなの健康を守るのも総務の大切な仕事。

 

 

「最近は働いているみなさんにお知らせする掲示物づくりも任せてもらえるようになりました。資料を基にデータをまとめて、パワーポイントを使ってみなさんにわかりやすいように掲示物をつくります。まだ慣れない部分も多くて時間がかかるのですが、『わかりやすかった』とか褒めてもらえると『もっとがんばろう』という気持ちになります」

 

 

新しいチャレンジにも前向きに取り組んでいる碧さんにとって、仕事のやりがいは?

 

 

「会社で働いているみなさんの役に立てていると実感できることです」

 

 

と即答。総務の仕事は、会社で働く仲間が気持ちよく働けるように環境を整え、さらに良くなるようにしていく仕事。それだけにやることもたくさんありますが、そうしたひとつひとつに一生懸命取り組むことがみんなの役に立っている……。高校で学んだ商業の経験を活かしたくて選んだ事務の仕事ですが、それだけでなく毎日の仕事を通じて、みんなを支えていると実感できることが碧さんのやりがいになっているのでした。

 

 

▲最近は求人採用も碧さんの担当。「企業説明会があれば、どんどん参加したい!」と碧さん。

 

 

そんな碧さんに今後の目標を尋ねると……。

 

 

「この春から採用の仕事も任せてもらえるようになって、3月にさくらホールで行われた高校生向けの企業説明会にも参加しました。高校生のみなさんもたくさん会場にいらして、私も会社紹介用の資料を自分でつくって生徒さんたちに説明しました。

 

 

やっぱり会社の魅力をきちんと伝えていくことも大事だと思っているので、企業説明会の機会がもっと増えてほしいと思いますし、そういう機会があればどんどん参加したいと思っています」

 

 

そう力強く語ってくれた碧さん。

 

 

優れた鋼管製造技術で、人々の暮らしに欠かせない日本全国の水インフラを支える「北上鐵工株式会社」。その日々の業務を陰で支える仕事に大きな誇りを感じて、碧さんは今日も総務の仕事に励んでいます。

 

 

▲オフィスに飾られた「水管橋」の写真。こちらも「北上鐵工」が手掛けたもの。

 

▲高校時代は地元の高校の鬼剣舞部に所属。前から2列目、向かって右から6人目が碧さん。

 

▲碧さんが働く総務部のみなさんで。

 

 

澤藤 碧さんが働く職場:北上鐵工株式会社

岩手県北上市北工業団地2-10
Tel/0197-66-2131