KITAKAMI NEWS
狩猟文化を引き継ぐ期待の若きハンター
(広報きたかみ令和4年5月27日号転載)
狩猟文化を引き継ぐ期待の若きハンター
下瀬川 冬芽(とうが)さん
北上市猟友会の最年少、下瀬川冬芽さん(21歳・滑田)は、昨年7月に第一種銃猟狩猟免許を取得した新人ハンターです。
同会会長の推薦で、市の鳥獣被害対策実施隊にも所属。
生活環境や農作物などへ被害を与える有害鳥獣の駆除活動を、今月から本格的に行っています。
子どもの頃から父と共に渓流釣りや山菜採りなどで山に出掛け、これまで見ることのなかったカワウなどの野生生物を目撃。
また同会の狩猟活動を見聞きする機会もあったことから、「なんとなく狩猟に興味を持った」といいます。
父の知人である会員に勧められ、親子で狩猟免許を取得。
当時はまだ19歳で年齢制限により「銃猟」はできず、18歳以上で可能となる「わな猟」の免許を取得して現場を経験しました。
20歳で受けられる銃猟免許の取得試験に合格し、危険を伴う銃器を扱うことに気を引き締めます。
射撃練習を十分に行い、早速、狩猟活動ができる10月から3月に雪山を駆け回りました。
初めて仕留めたのは、自分よりひと回りも大きいイノシシ。
実猟の難しさと手応えを感じました。
狩猟者には、有害鳥獣を駆除する社会的な役割も期待されています。
下瀬川さんは、「山ではシカが増えて餌が足りない。だから里に下りてきて農作物を食べてしまう」と
現状を捉え、猟による捕獲の意義を思索。
野生生物が増えていると言われる中で、狩猟者は減少・高齢化していることから、若手の後継者は心強い存在です。
「ただ駆除するのではなく、苦痛を与えずに仕留めてあげること、きれいに処理して食べてあげることを心掛けたい」。
野生生物の命を頂く心構えを持ち、ハンターとしての技量を磨いています。