KITAKAMI NEWS

見えない壁をこわしたい

2019年10月25日

広報きたかみ

(広報きたかみ令和元年10月25日号転載)

 

見えない壁をこわしたい

後藤 誠子さん

 

後藤さん(常盤台)は、北上市コミュニティFM「きたかみE&Beエフエム」で、毎月第4金曜日9時(※)から、不登校とひきこもりに関する番組「1人じゃないから」のパーソナリティーを務めています。

悩んでいる人の力になりたいとの思いを胸に、不登校経験者の女性パーソナリティーと二人で、お互いの経験を交えながらトークを繰り広げています。

 

「息子が高校生の時にひきこもりになった」。

当時は理解しようとせず、叱ってばかりいたそうです。

息子の状況に落ち込み、市外のクリニックが開催する家族相談会に参加し始めた後藤さん。

そんなある日、自身も職場の前まで行ったのにそこから足が前に出ないという息子と同じ状況を体験し、頭のどこかで嘘だと思っていた息子の言葉が事実であることを実感しました。

 

家族相談会での「支える側の親が元気にならないと」の言葉に納得しながらも「自分だけ楽しんでいいのか」と心に引っかかていた後藤さんは、直接息子に確認。

「俺のために家にいて落ち込むのは気持ち悪い。好きなことをして」との返答に、それまでの引っかかりが、パズルの最後の1ピースがはまったときのように解消され、好きなことをしていこうと決断しました。

 

後藤さんは、任意団体「笑いのたねプロジェクト」でも活動中。

当事者・家族側と、周りの人の両者に壁があると感じているそうで「その2つの見えない壁を壊したい」と話します。

更に「ひきこもりを無くすのではなく、地域に溶け込める社会になるように仕組みを変えていきたい」と今後も見据えます。

明るく前向きな性格の後藤さん。

「ひきこもりの親を楽しんで、ひきこもりの親のプロになろうかな」と笑顔を見せました。

※再放送・・・第4土曜日19時~