KITAKAMI NEWS

県内初のバナナ栽培に挑戦

2019年8月19日

広報きたかみ

(広報きたかみ令和元年7月26日号転載)

 

県内初のバナナ栽培に挑戦

大澤 啓造さん

 

相去町の農業法人・(株)ごろすけACファーム代表取締役の大澤さんは、平沢の農地で県内初となるバナナ栽培に取り組んでいます。

 

盛岡市出身の大澤さんは、神奈川県で広告代理店などを手掛ける会社の代表でもあり、1998年長野パラリンピックの開会式のビジュアルプロデューサーを務めた経歴の持ち主です。

10年ほど前、土に対する興味から食への強い関心を持ちます。

その後、「凍結解凍覚醒法」を研究開発した田中節三さん(岡山県)と知り合ったことが縁でバナナ栽培への挑戦を決意。栽培地は、親戚がいることや条件の良い土地があったことから北上市を選びました。

「誰もやったことがないことに価値がある。この地で初めてだからこそ挑戦した」と話します。

 

大澤さんが導入した凍結解凍覚醒法は、細胞塊をマイナス60度まで凍結させてから解凍し、耐寒性や生育速度を向上させる栽培手法。

通常は熱帯地域で栽培するバナナですが、同手法により寒冷地での育成が可能になります。

また、病害虫への耐性も高まり農薬不使用で栽培できるため、皮ごと食べられることが特長。

昨年9月に定植し、今年9月ころに最初の収穫を迎えます。

通常の3倍の速さで育つため、3年間で5回の収穫が可能となり、1回当たり7500本ほどの収穫を見込みます。

 

バナナには、縄文時代の集落があった北上の地にちなんで「北上縄文実芭蕉(きたかみじょうもんバナナ)」と命名しました。

県内外での販売を予定するほか、市のふるさと納税の返礼品も登録済み。

また、今後はコーヒーの栽培も計画しています。

 

「新しいことに取り組む若い人たちが増えるきかっけになれば」と話す大澤さん。

プロデューサーとして活躍した知見を生かし、次なる挑戦に向けて目を輝かせていました。