KITAKAMI NEWS
「お母さんたちの居場所を作りたい」
(広報きたかみ令和元年5月24日号転載)
「お母さんたちの居場所を作りたい」
千田 優子さん(相去町)
千田さんは、助産師として、また、手しごと・お人形教室の講師として活動しています。
東京で助産師として勤務していましたが、結婚を機に北上市に帰郷。
その後、母となりましたが、2005年に近隣地域の総合病院の産婦人科が廃止されるなど、赤ちゃんを産める場所がどんどん減少していることに危機感を持ち、仲間たちとお産や地域医療を考える活動を始めました。
活動の一つとして、地域の中で気軽に助産師と話せる場を作ろうと、子育てサロンをスタート。
同サロンは、市が本年度から開始した産前産後サポート事業「まんまるお月さま-北上まんまるサロン」(NPO法人まんまるママいわてが受託)の前身です。
「産後は8割の人がうつのような症状になるんです」と語る千田さん。
以前の子育て環境と違い、ネットの情報に振り回されたり、核家族化が進み、気軽に相談ができなかったりすることもお母さんたちの精神的な負担を増やしているのだそうです。
「キラキラしているように見えても、実はみんなそれぞれ悩んでいるんですよ」と話します。
千田さんは、助産師として勤務・活動する傍ら、自宅横に開いた「アトリエ・たね」でワークショップを行っています。
羊毛など天然素材で作る人形作りや食の話などをしながら、お母さんたちの息抜きの場所を作り、6人の子を持つお母さんである自身の経験や、助産師としての観点からアドバイスなどもしています。
活動の中で印象に残っていることは、最初は思いつめた表情だったお母さんたちの表情が、会う度にやわらかく変わっていったこと。
今後の目標を伺うと、「北上市が子どもを産み育てたいと思えるまちになるよう、お母さんたちの安心できる居場所を作り、支えていきたいです」と笑顔で話していました。