KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.18 ここでなら成長できる。自分の可能性を信じて。

2021年8月23日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

 

ここでなら成長できる。
自分の可能性を信じて。

 

 

~vol.18 佐々木 結衣(ささき ゆい) 22歳~

 

感謝の想いを、アルバムに込めて。

 

 

7月19日(月)、奥州市は最高気温37℃を超える猛暑日で、街を縦断する北上川の岸辺も、朝から強い日射しが照りつけていました。

 

 

 

 

 

この地で河道掘削工事(台風などで堆積した土砂を取り除き、川の流れをスムースにする)に携わっているのが、北上市で創業60年を超える「株式会社 小原建設」です。

 

 

 

 

その現場に、一眼レフカメラを手にした佐々木結衣さんの姿がありました。この春(2021年)同社に入社し総務課で働く結衣さんは、広報の仕事に携わりながら、もうひとつ重要な任務を任されています。それは……。

 

 

 

 

 

「小原建設では、現場で働く様子やイベントに参加したときの様子を撮った写真で『お疲れ様アルバム』をつくって、退職される方にプレゼントしています。その写真を撮るのも私の大切な仕事で、現場やイベントに参加するときはいつもカメラを持ち歩いています」

 

 

『お疲れ様アルバム』の取り組みは今年はじまったばかりで、その第1号の制作も結衣さんが担当。

 

 

 

「第1号の制作は私が入社したばかりのタイミングでしたので、指示された通りにつくったのですが、とてもいい表情をされている写真がたくさんあって、そこに退職される方への感謝の想いを感じました。私もそういう想いのこもった写真をたくさん撮って、素敵なアルバムをつくってお渡しできるようになりたいと思っています」

 

 

 

 

そう語ってくれた結衣さんですが、一眼レフカメラは「小原建設」に入社するまで触ったこともなかったそう。

 

 

「最初は難しそうな印象でしたが、会社でプロカメラマンの方を迎えて勉強する機会もつくっていただいたので、今では楽しく撮影できています。

 

 

ただ、入社して4ヵ月ですので、現場の方々との交流もまだまだこれから。やっぱりいい表情を撮ろうと思ったら、お互いの信頼が大事ですよね。そういう関係を早く築けるように積極的に行動して現場の方々ともコミュニケーションを深めていきたいです」

 

 

と頼もしい言葉が返ってきました。そんな結衣さんが「小原建設」に入社した理由は……。

 

 

この日も現場のみなさんと積極的にコミュニケーションを取っていた結衣さん。「あの写真、良かったね」という言葉も聞かれ、同社のWebサイトでブログも書いている結衣さんの活動はしっかり社内に浸透しているよう。

 

 

▲「お疲れ様アルバム」の第1号。あたたかみのある手づくりの仕様にほっこりします。アルバムを贈られた髙橋義勝さんはおよそ20年間同社に勤務。一番のお気に入りは、初めての海外社員旅行で行ったグアムで「クルーザーの上で撮った1枚」だそう。アルバムの感想を伺うと「随分と顔や頭に年輪を刻んだな」と照れ笑い。

 

 

“YOSAKOI”にかけた青春。深まるジェンダー学への興味。

 

盛岡市出身の結衣さんは、北海道にある大学に進学。そこで一番がんばったのが……。

 

 

「『YOSAKOI(よさこい)』のサークルです!」と即答!

 

 

北海道では毎年6月上旬に「YOSAKOIソーラン祭り」が開催されます(昨年と今年はコロナで中止)。同祭りは高知県の「よさこい祭り」と北海道の「ソーラン節」を融合させたもので、「鳴子(音が出る農具)を持って踊る」「曲にソーラン節のフレーズを入れる」というルールさえ守れば、踊り・曲・衣装などは自由に決められるのが特徴。チームごとにデザインした色とりどりの衣装とエネルギッシュな踊りが大好評で、期間中は例年200万人が札幌市の会場に詰めかけます。

 

 

結衣さんは大学のサークルでこの祭りに毎年参加。メンバーは100人を超え、3年生のときには副部長も務めるほどのめりこんだそう。

 

 

▲「YOSAKOIソーラン祭り」に参加したときの結衣さん。視線を上に向けるのは、「表情がイキイキとして写真にも映えるから」とのこと。その経験がこの仕事にも……。

 

 

それはさておき、勉強の方は……。

 

 

「もともと“ジェンダー”(『料理は女性がやるもの』といった社会的・文化的な考え方から生まれる性別のこと)に興味があって、大学でもその勉強をしていました。

 

 

ですから、卒業論文のテーマも『性別役割分業』についてでした。“男性は外で働いて女性は家事育児をする”という日本人の古典的な考え方が、コロナの影響でどのように変化したかというのを、5組のご夫婦にお話を伺いながら学びました。

 

 

そこから見えてきたのが、コロナによって在宅勤務になるなど家で過ごす時間が長くなると、家事に積極的になる男性も増えるということ。それに家で過ごす時間が長くなると、自然と子どもと触れ合う時間も多くなるので、子どもも前よりお父さんに懐くようになるんです。そうなるとお父さんも育児に積極的になって、いい循環が生まれるというのが結論としてわかったことです」

 

 

 

結衣さんが「小原建設」と出会ったのは、サークルとジェンダー学の勉強に充実した日々を過ごした後、「さあ、就職は?」というときでした。

 

 

 

▲「小原建設」に入社した当時の結衣さん。

 

 

▲現在の結衣さん。

 

 

やりたい仕事がない。そんな自身の成長を見据えて。

 

 

「私にとっては家族が一番なので、就職は“地元”と考えていました。ただ、やりたい仕事がなくて……。そんなとき採用イベントで声をかけていただいたのが小原建設でした。

 

 

私自身、いろいろな採用イベントに参加しましたが、『他の会社でも通用するヒトを育てる』という専務の言葉が強く印象に残って、やりたいことがないと思っていた自分でも『ここでなら成長できるんじゃないか』と思ったんです」

 

 

 

▲上司の藤本課長と打ち合わせ。実は採用イベントの際に、結衣さんに最初に声をかけたのが藤本課長。そのときから光る何かが結衣さんに……。

 

 

 

「小原建設」で働こうと思った理由を、そう語る結衣さん。広報の仕事に携わるという話も面接の際に言われていたそうで、この会社に入るまで触れたこともなかった一眼レフカメラも現在ではすっかり相棒に。

 

 

 

▲結衣さんが入社してから自身で撮影した写真のなかで一番のお気に入りがこちらの写真。「“今、何を撮りたいか”をきちんと考えて、それが1枚できちんと伝わる写真を撮ろうとプロカメラマンの方にアドバイスしていただいたので、それを意識していつも写真を撮っています」と結衣さん。

 

 

 

また、近年「小原建設」では女性の活躍を推進する取り組みにも積極的で、大学で“ジェンダー”の勉強をしていた結衣さんは、そちらの担当にも抜擢。現在は岩手大学の女性学の授業もオンラインで受けているそう。

 

 

 

「小原建設でも女性技術者が少しずつ増えているので、そういう方たちのアドバイスもいただきながら一緒に女性も働きやすい環境をつくっていくことで、男性同様に女性技術者もたくさん活躍できる会社になるお手伝いができればと思っています」

 

 

 

 

 

 

以前はやりたい仕事がなかったという結衣さんですが、「小原建設」に就職して4ヵ月。写真の魅力に加え、自身の大学での経験も生かせる「やりたいこと」が見つかり、今後の取り組みにワクワクしている様子。さらに……。

 

 

 

「私は小さい頃から絵を描くことが大好きで、今も休みの日には1日かけてオリジナルのキャラクターをイラストにしています。広報の仕事は、世の中に会社の魅力をひろげること。そのツールとして、私のイラストも生かせたら……」

 

 

 

と語ってくれた結衣さん。22歳の夢はひろがります。

 

 

 

▲結衣さんの作品。キャラクターを1人仕上げるのに8~9時間かかるそう。

 

 

◇佐々木 結衣さんが働く職場:株式会社 小原建設

 

本社/岩手県北上市村崎野15-312-8
Tel/0197-66-3125(代)