
KITAKAMI NEWS
【20代の肖像】vol.66 「鉄鋼」で東北No.1へ。 新工場を支える4人の挑戦。
「鉄鋼」で東北No.1へ。
新工場を支える4人の挑戦。
vol.66 鮎田秀之(あゆた ひでゆき) 20歳
伊藤ひなた(いとう ひなた) 20歳
大堰斗望 (おおぜき とも) 19歳
小松ほのか(こまつ ほのか) 20歳
昨年11月稼働。新工場の新たな挑戦を支える4人の20歳。
ホッチキスの芯や公園のブランコから川に架かる橋や大空に向かってそびえ建つビルまで、「鉄」は私たちの暮らしの至るところに存在し、私たちの毎日の暮らしを支えています。
静岡県静岡市に本社を置く「株式会社アイ・テック」は、そんな「鉄=鋼材」を鉄鋼メーカーから購入し、全国3,000社に安定供給している鉄鋼商社です。
▲建築向けの鋼材を中心に、多彩な品種と抱負な「在庫力」が自慢のアイ・テック。大規模なビル建築などに使用される「H型鋼」や建物の骨組に使用される「コラム」(角形鋼管)などの販売数量は国内トップクラス。
今年で創業102年の歴史を刻む同社は鋼材を販売するだけでなく、穴あけ・切断などの加工にも対応し、お客さまの多様なニーズに合わせて付加価値の高い製品を提供できる「加工力」。さらに、取り扱い品種の多彩さと大規模受注にも素早く対応できる豊富な「在庫力」。そして、全国4ヵ所に港湾施設を構え、海外から仕入れた鋼材を効率良く日本全国のお客さまに届ける海上輸送と陸送を駆使した「運送力」で発展。現在では青森から大阪まで35の拠点を構え日本全国をカバーし、新国立競技場やスカイツリーの建設にも関わるなど確かな信頼と実績を積み重ね、成長を続けています。
▲鋼材の販売だけでなく、穴あけ・切断などお客さまの多様なニーズに合わせて付加価値の高い製品を提供できる「加工力」がアイ・テックの強み。
▲大型船舶が寄港できる岸壁を備えたアイ・テック相馬工場は、4人が高校生のときに見学に訪れ、入社後には研修を受けた思い出の工場。
そんなアイ・テックの新たな挑戦として、昨年(2024年)11月に稼働を開始したのが北上市に誕生した東北最大級の新工場「北上D・M・C」です。
「北上D・M・C」は、5,000トン級の大型船舶が寄港できる岸壁を備えた同社の相馬工場(福島県)と連携し、作業の自動化をさらに推し進め、生産性の向上を図りながら、東北のお客さまの多様なニーズにタイムリーに応え、東北エリアのシェアNo.1をめざしているそう。
新たな夢に向かって挑戦を続けるアイ・テックの新工場「北上D・M・C」を支えているのが、入社2年目、今年度20歳になった(1名は来年3月に20歳に)4人の若者たちです。
▲昨年11月に稼働したアイ・テック「北上D・M・C」で活躍する4人。写真左より、大堰斗望さん、伊藤ひなたさん、小松ほのかさん、鮎田秀之さん。
▲「キレイで広々とした空間で働けるのが魅力」と4人が自慢する新工場「北上D・M・C」。
普通科出身でも最先端の技術者に。
アイ・テックの強みが、お客さまの多様なニーズに合わせて付加価値の高い製品を提供できる「加工力」にあるという話は最初に触れました。「北上D・M・C」では、その強みにさらに磨きをかけ、アイ・テックの他の工場にはない最新の機械を導入し、穴あけ・切断の他にも角パイプや鉄板の切断・曲げなど多種多様な加工に対応できるそう。
そうした鋼材の加工を担当しているのが、鮎田秀之さんと大堰斗望さんです。2人は北上市のお隣・西和賀町にある岩手県立西和賀高等学校を2年前に卒業。普通科の出身ですが、企業見学で感じたあたたかな会社の雰囲気と、働きやすい職場環境に惹かれ、入社したそう。
しかし、その仕事は専門の機械を使用し、鋼材を加工すること。工業高校の出身でもなく、おまけに新工場の1期生となるため、責任も重大。そこに不安はなかったのでしょうか。
▲「加工力」が強みのアイ・テックで、他の工場にはない鉄板の曲げ加工に磨きをかけている鮎田さん。
「機械の操作は入社後に研修で学べるので、不安はありませんでした。ただ、北上D・M・Cにはアイ・テックの他の工場にはない新しい機械が導入されるということだったので、初めて使う機械という点で不安はありました」
そう語ってくれたのは、「愛されキャラ」とみんなが口を揃える鮎田さん。一方、大堰さんは……。
「自分は心配とか不安よりも、どういう機械なのかっていうワクワクがありました(笑)」
みんなから「しっかり者」と頼りにされる大堰さんは、心配や不安よりも興味の方が大きかったそう。そんな2人ですが、新工場が稼働して9ヵ月が経ち、今の心境は……。
▲大堰さんは「明日どう動けば仕事がスムーズに進むか、前日にシミュレーションする」と語るほど、みんなも認める「しっかり者」。
「僕は鉄板の加工を担当していて、レーザー加工機で鉄板を切断し、2次加工で“曲げ”の作業も行います。レーザー加工機は全自動なので機械がすべてやってくれますが、曲げ加工の最後の調節の部分は自分がやっています。しかも、曲げ加工まで行うのはアイ・テックではこの北上D・M・Cが初めてで、北上独自の加工であり製品にもなるので、その仕事を任されていると思うと、すごくやりがいあります」(鮎田さん)
▲アイ・テックの工場では初となる鉄板の曲げ加工も担当している鮎田さん。曲げ加工は自分の手で行う繊細な作業のため、やりがいも大きいそう。
「自分が使っている3Dレーザー加工機も鋼材を入れて流せば、複雑な形状も全自動で加工してくれるのですが、気温などの変化に合わせて数値を調整しないとキレイに切断できなくて……。その調整に最初は苦労しました。でも今はそれにも慣れましたし、この機械も他の工場にはない最新のもので、扱えるのも自分を含めて2人だけなので、それに携われるのはうれしいです」(大堰さん)
▲複雑な形状も1台で高精度加工ができる3Dレーザー加工機を操作する大堰さん。大堰さん含め、アイ・テックでも2人しかできない機械を任され、やりがいに。
2人に共通しているのが、新しい工場で、入社2年目にして他のアイ・テックの工場にはない最新の機械を任され、日々の仕事をこなしている充実感でした。さて、事務を担当している2人は……。
▲高校の同級生でもある2人。高校時代に鮎田さんに誘われ、アイ・テックの企業見学に参加したのがきっかけで大堰さんも入社することに。今では誘ってくれた鮎田さんに感謝。
北上D・M・Cに合った事務のやり方を、みんなで。
地元の専修大学北上高等学校出身の小松ほのかさんと、岩手県立北上翔南高等学校出身の伊藤ひなたさんは、高校3年生の就職活動のときに事務の仕事を探していたそう。
そんなとき出会ったのが、アイ・テックでした。
▲ドライバーさんの窓口も担当する小松さん。外部の方とのやり取りも多いため、「コミュニケーション」は大切にしているそう。
「新工場が北上にできるのに合わせて、事務員も募集していると知って応募しました。交替勤務もなくて、休みも多いなど福利厚生が充実している点に魅力を感じました」
そう語ってくれたのは、明るくてコミュ力も高いとみんなが声を揃える小松さんです。その言葉にうなづく伊藤ひなたさんは、みんなから場を和ませるムードメーカーと言われる存在。そんな伊藤さんに、新工場が稼働して9ヵ月が経った今の心境を尋ねると……。
▲現場と営業のつなぎ役でもある伊藤さんは、社内連携を円滑にするため「報・連・相」を大切に。そのお陰で、突然の変更への対応や納期管理もスムーズに。
「事務の研修は相馬工場でしたのですが、そのときとは人も環境も違います。ですから相馬工場のやり方をベースにしながら、北上D・M・Cに合ったやり方を見つけていく必要があります。その作業が大変ですが、現場ともやりとりしながら、みんなで自分たちのやり方をつくっていけるので、すごくやりがいがあります」
そんな伊藤さんの言葉に、小松さんも共感しながらさらに言葉を続けます。
「工場も立ち上がったばかりで、それに合わせて配属された事務のメンバーもスタートラインはみんな同じくらいです。ですから、わからないことや新しい課題もみんなで確認し合ったり相談し合ったりしながら仕事ができるので、自然と団結力も生まれて、みんなで仲良く働けています」
新工場で日々の業務をこなしながら、みんなとチカラを合わせ、「北上D・M・C」に合った事務のやり方をカタチにしていく日々に、2人とも充実感を感じている様子でした。
最後に4人に今後の目標を尋ねると、共通した言葉が……。
「新しく入ってくる後輩たちに、きちんと教えられるような頼れる先輩になりたい」
東北のシェアNo.1へ。アイ・テックの新しい挑戦を支える新工場でイキイキと働いている4人の20歳は、新工場といっしょに育む未来に、ワクワクしています。
4人が勤務する会社:
株式会社アイ・テック 北上D・M・Cのホームページはこちら
岩手県北上市和賀町後藤2-114-40(後藤野工業団地内)