KITAKAMI NEWS

【市民ライター投稿記事】ヒップホップで脳トレ? ~SVきたかみ ヒップホップダンスのチャレンジ~

2025年3月6日

市民ライター 安藤 拓也

「いやいや、脳トレじゃないでしょう?」とお思いのあなた、百聞は一見にしかず、です。一見ではなく一度踊ったらわかります。中高年にとってヒップホップダンスは新しい「脳トレ」なのだと・・・。

 

 

 

 

「特定非営利活動法人SVきたかみ」が昨年12月から専修大学北上高等学校のグリーンホールを使用して、地域の40代以上の皆さんに気軽に体を動かしてもらおうと始めたこのダンスクラス。ダンスとは100%無縁な毎日を過ごす私が、自らに鞭を打ち潜入取材を試みました・・・というよりは諸事情から参加メンバーとして登録されてしまいました・・・。果たして耐えられるのか?

 

ということで、取りあえず身体が動きかつ変な動きをしても破れなさそうな服を着てグリーンホールへ。講師は専修大学北上高等学校総合探究部ダンスグループ「フェニックス」を指導する平藤麻央先生。仕事柄、ダンスグループの発表を何回か観ていますが、ダンス初心者の生徒たちがこの1年で本格的な動きをするようになっているのを見ているだけに、「あれをやるのか・・・」と既にプレッシャー。
まずは身体のストレッチから・・・全身をゆっくり曲げたり伸ばしたり・・・なのですが、お約束通り曲がらず、伸びず・・・。参加されている皆さんは割と平気のように見えます。そんな中、私は心の中で「イテテテ・・・」を繰り返すこと数回。

 

そこを切り抜けたら、いよいよ曲に併せて振り付けを練習していきます。今回は、我々中高年だけでなく、幅広く聴かれているアース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」。

 

 

 

 

振り付けは、先生が我々のために練りに練ったオリジナル。曲の出だしはそれぞれ楽しそうにハンズクラップ(あえて「手拍子」とは書きません)、歌い出しの前には軽く左へターン・・・。ここから既に270度、180度、90度・・・と身体が途中で止まっていくのです。そうこうしているうち、気がつけば笑顔は消え、ターンできるかで頭はいっぱい、ハンズクラップはどんどん「手拍子」に・・・。ということで、この振り付けは後日オプション(出来る人はチャレンジしてね!)となりました。

 

そして、10分ほどすると休憩と水分補給。意外と短い間隔で休憩を挟んでいきます。無理をしすぎない先生の配慮。ありがたいです。休憩しながら、自分の体の重さを再認識。次に、曲に合わせた左右のステップ。ほぼ予想どおりの展開ですが、「あれ?右足から?左足から?」長くもない足が絡まりそうになる・・・。およそ脳トレとは言えないが、早くも「脳トレ」状態に突入。その後の振り付けも少しずつ入っていき、最後に今日一日の復習に。身体より頭が痛い・・・もはや次の振りが思い出せない・・・。

 

そして、次の練習には前回の振りはどこへやら・・・。結局、最後にみんなで先生に見本を踊っていただき、大動画撮影大会・・・。我々の負担が少ない振り付けなので、出来ていれば問題ないのですが、頭と裏腹に動く手足。無駄な筋肉痛が襲うのでした。

 

 

 

 

ここで、他の参加者はどんなことを思っているのか聞いてみました。

 

「小学校1年生の娘と親子で参加しています!最初は「子どもがダンスやりたいから…」と思って参加したのですが、今では娘はもちろん私もとっても楽しんでいます!自然と笑顔になって、地域の方々とダンスを通じて交流できることが魅力です。これからも親子で楽しんでいきたいと思います!」

 

「体を動かす習慣がなかった私ですが、皆さんと楽しくダンスをしています。親子参加もオッケーとの事で、この間は可愛らしいダンサーとのコラボも楽しかったです♪私も母からの紹介なのである意味親子参加です(笑)

この年齢から母親と一緒に何かをすると思ってなかったので、体が動くうちは一緒に楽しみたいと思います!」

 

「SV北上hip-hop danceに入会し、地域の皆さんと一緒に健康づくりをしています。昭和生まれの私にはhip-hopのリズムなぞ備わっていませんが、始めてみるととても楽しく爽快な気分になります。出来不出来は関係ないところがいいですね。入会時は家族全員に驚かれましたが、今ではどうぞどうぞ!と送り出してくれています。

また、専北の新校舎に入ったり先生方や生徒さんの様子を知ったりすると、これまで縁遠かった専北が身近に感じます。それもいいなと思っています。」

 

「限界集落に暮らす60代後半、脚部に可動制限ありの私が、ダボダボスタイルでキレッキレのダンスを始めた事に、自分自身驚いています。勿論、家族や知人も「えッ!?」とびっくり仰天し、必ず誰もが笑います。初心者の事もあり、日常の動きにはないステップは体と頭が混乱してしまいます。でも、出来ない姿を見て、メンバーさんと笑ったり、目で励まし合ったりする時間がとても楽しく感じます。また、非日常のこの楽しい刺激が最高の脳トレになっています。楽しいので続けてみようと思います。」

 

「専北さんと麻央先生の粋な企画により、ヒップホップなんて全く縁遠かった世界に足を踏み入れることになり、人生の転機がやって来た感じです。また久々に、私にとっては忘れられない専北高校の校舎に通うことになったことにも、感慨深いものがあります。上手な人、経験者お断りの入部条件に、すっかり安心!うまくいかないことに大してストレスを感じることもなく、楽しく参加させてもらってます。麻央先生の教え方は、元気で明るく、へたっぴでもたくさん褒めてくださって、とってもよろしいですよ~。いつかそれなりのかっこうで、ステージに立てる日を楽しみに、忘れては戻り戻ってはまた忘れる、スイッチバックのような練習を重ねて行きたいと思っています。」

 

「ヒップホップダンス!!と聞くと「今の私にダンス!」「ヒップホップ?」憧れの響きです!私も参加したい、やってみたいのです。楽しそうですよね。今のエンタメはダンス、そして早いダンス、さらに1つのダンスグループの楽曲で同じ踊りを踊るタイミングと3つに分け別の踊りを踊っていますよね。かっこいいじゃないですか~。ぐるぐると「私でもいいの?」「参加して大丈夫?」「どうする、どうする」と考えました。

ですが、平藤先生が「大丈夫です」と話して下さり決心しました。そして1回目の参加。始まる前からにぎやかで、そして参加者の皆さんがキラキラしている、コスチュームも華やかでカラフル!緊張とそして勢いで踊り始めました。なじみのある曲・・・「ワン、ツー、スリーハイ!!」平藤先生の声と同じにステップが始まり皆さんと私もなんとなくステップ。小分けにダンスのステップと振りを見ながらと鏡を見ながら真似ていく。出来てきている!体もいい感じに温まってきました。も~~、動いて笑ってだんだんと体も軽くなってきました。できるじゃん、私。良かったね、私。平藤先生のアドバイスが励みになりました。楽しいヒップホップダンス、今度の参加が楽しみです。体を動かし、足と脳に刺激を与えて、これからの自分にヒップホップダンスのスパイスを使い、体感していない喜びと自信を重ねていきましょう。」

 

「ダンスが好きな50代です!すぐにはできない動きも、何回も踊っているうちに出来るようになると、うれしくなりますし、楽しくなります!そして、やっぱり、一人よりみんなで踊るのが楽しいですし、気持ちがいいですね。新しい出会いがあって、おしゃべりできるのもうれしいです。みなさん、よろしくお願いします!!」

 

 

 

 

そして、こんな私とメンバーの皆さんを、平藤先生はどう思っているのか聞いてみました。

 

Q:メンバーの皆さんに対して、どのような印象をもっていらっしゃいますか?
A:はい。まず積極的ですよね。皆さん非常に積極的。ヒップホップっていうタイトルがついているけれども、物怖じせずに、一歩を突き進んで入ってきてくださるので、私としても教えやすいですし、楽しいです。

このダンスクラスの運営コンセプトの一つに、「新しい仲間とコミュニケーション」というところがありますが、本当にそれが実践されていて、後から入ってきた人が戸惑ってる感じもなくすぐ打ち解けられるし、新しい仲間と新しい動きで楽しんでくださっているかなと感じます。

 

Q:私、メンバーの皆さんの服装も回数を重ねて変化してきている気もするのですが。
A:最初はなんかスポーツ系のジャージみたいな感じだったけど、なんとなくちょっとこじゃれた感が・・・?ちょっと自信つきましたかね?まだ練習回数そんなにやってはいないけれど、同じ動く服装でもちょっとダブってした感じのそれっぽい衣装になってきたのかな。

 

Q:振り付けなどで注意されているところはありますか?
A:振り付けに関しては、年配の方もいらっしゃるので、これをやって膝にくるとか、これをやって腰にくるっていう動きをなるべくしないように、だけどヒップホップで使うような動きを少しやんわりさせて入れるよう心がけています。せっかく楽しみに運動しに来てくださるのに、ここに来て具合悪くなったとか怪我したっていうのはやっぱり本末転倒なので・・・。

 

Q:そういえば、このクラスの開講に向けて新たに資格を取得されたと伺いましたが?
A:最近取ったのがジェロントロジー検定です。日本語にすると老年学。ご年配の方がその人生を豊かに生きていくための学問で、TRFのSAMさんが南カリフォルニアの大学まで行って取ったものが日本でも取れるということがわかったので・・・。日本の大学では東京大学と桜美林大学にしかこの関係の学部がないそうですが、テキストを買って勉強して、年に2回実施されている試験を受けました。

 

Q:それは別にダンスに関してということではないんですよね?
A:そうですね。ご年配の方の心の持ち方とか、体とか。あとは地域との関わり方とか。学んだことを基にご年配の方たちの生活の中に、ダンスを受け入れてもらいたいと。その方たちの地域デビューというか、その一環として学校に来てもらって、ダンスをするというのも運営の一つのコンセプトです。ヒップホップは、家着っぽい感じのラフな衣装できるし、道具もそんなにいらないし、ちょっと若返った感が・・・。

 

Q:音楽を聴いていると少し若返った感がありますよね?
A:今の日本のシンガーが昔の曲、例えば寺尾聰の「ルビーの指輪」や加山雄三の「お嫁においで」などをヒップホップが踊れるような感じでリメイクしていて、年配の方が聞くとなんか知っているよね、という安心感があるかな?と思ったりして、そういう選曲もしています。ヒップホップの音楽の幅広さを感じてすごくいいと思っています。

 

Q:最後に、これを読んでいる皆さんにメッセージを・・・。
A:今回のクラスは初心者を限定にしているので、肩肘張らないで、まず来てもらって、一緒にやってみましょう!!

 

お問い合わせは専修大学北上高等学校までお気軽にどうぞ!