KITAKAMI NEWS

先人の苦難、祈りや願いを込めて一人語り

2020年9月25日

広報きたかみ

(広報きたかみ令和2年9月25日号転載)

 

先人の苦難、祈りや願いを込めて一人語り

微将蓮(びしょうれん)さん

 

微将蓮 本名・仁田紀久子(にたきくこ)さん( 柳原町)は、自身が創作した物語を、芝居を入れて感情豊かに一人語りする「お話しライブライター」として活動し、今年8月で5年目を迎えました。

 

蓮さんが活動を始めたきっかけは、平成27年に大船渡津波伝承館の防災紙芝居プロジェクトでシナリオを担当したこと。

昔から物を書くことが好きで、短編集を自費出版したこともあり、祖母から聞いた地域に伝わる津波の逸話など9作品を手掛けました。

 

この時に知り合った人たちとの縁で創作意欲が高まると同時に、「これまでの自分を振り返ってみたとき、書くことだけではなく自分の言葉で思いを伝えたい」と一人語りの表現スタイルを思いつきました。

 

長女の後押しもあって、平成28年8月に盛岡市で開かれた東日本大震災の復興支援イベントで初ステージを踏みました。

その後も盛岡や北上、奥州市内などで開催された復興支援や人道支援のライブなどに出演。

苦難を受けた先人の知恵や覚悟を祈りや願いを込めた物語として、念珠を身に着け発表しています。

去年は、出身地の大船渡市で念願の自主企画ライブを開催し、地元の友人や知人など大勢集まってくれて感激したといいます。

 

「活動を続ける中で、さまざまな人との出会いやつながりがあって、これまでやってこれた。声の演技が身に付き、作品によって心のチューニングを心掛けるようになった」と話す蓮さん。

今後も小説と並行して、地域に伝わる民話や伝承を基にした物語を創作したいといいます。

知人の仏画師から「活動するにはお守りが必要」と授かった雅号「微将蓮」に込められた「ほほ笑みを絶やさず、泥の中でも勇ましく美しく咲くハスのように生きる」との思いと願いを胸に、ライブ活動の継続を誓います。