KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.46 仕事も、サッカーも。 キレイな天然芝の上で。

2024年1月11日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

 

 

仕事も、サッカーも。 キレイな天然芝の上で。

 

 

vol.46 最上 里佳(もがみ りか) 26歳

 

 

“天然芝”にワクワクした子ども時代。

 

 

2人のお兄さんの影響で小学校1年生からサッカーをはじめた最上里佳さんにとって、天然芝のグラウンドは特別な場所です。

 

 

「天然芝は見た目もキレイですよね。私は高校までずっと土のグラウンドでサッカーをやっていたので、“天然芝”っていうだけでテンションが上がるんですよ」

 

 

 

 

そう言って笑顔を浮かべる里佳さんは美しい天然芝に魅せられて、北上市内にある「株式会社 平野ターフ」で芝生の管理の仕事をしています。同社は、岩手県内を中心にサッカー・ラグビー・野球・ゴルフといったスポーツに関わる施設の芝生の管理を専門に行う岩手県でも数少ない会社です。

 

 

 

 

▲「平野ターフ」が芝生の管理やコンサルタントを手掛ける主な施設。左上より時計回りで、岩手県営運動公園陸上競技場、釜石鵜住居復興スタジアム、花巻球場、遠野総合運動公園、楽天イーグルス 奇跡の一本松球場(陸前高田市)、稲庭高原パークゴルフ場(二戸市浄法寺)。 

 

 

 

里佳さんがこの会社で働きたいと思ったきっかけは大学時代までさかのぼります。

 

 

「サッカーをするために静岡県にある大学に行ったんですが、そこはふつうの大学では有り得ないんですけど、練習のときから天然芝のグラウンドを使っていて、すごく良い環境でサッカーをすることができました。

 

 

そのとき、Jリーグのチームの天然芝のグラウンドを手入れする手伝いをたまにしていて、天然芝をキレイに管理する仕事って面白いなあと思ったんです」

 

 

しかし、当時はまだサッカーに夢中な学生で“芝生の管理”を職業にしようとまでは考えていなかったそう。里佳さんはその後、大学を卒業し地元・北上市にUターン。事務の仕事をしながら、中学時代までプレイしていた奥州市にあるクラブチーム「奥州ユナイテッドFCプリンセス」でサッカー選手としても活躍を続けます。

 

 

しかし、小学1年からサッカーをはじめ、高校は宮城県にある女子サッカーの名門、大学もサッカー王国・静岡にある強豪校でサッカー漬けの日々を送ってきた里佳さんは……。

 

 

「事務の仕事も最初は楽しかったんですが、やっぱり毎日の仕事となると身体を動かしたいなあと(笑)」

 

 

そこで思い出したのが大学時代にたまにお手伝いしていた“芝生の管理”の仕事。「岩手にもそういう仕事ってあるのかなあ」と試しにネットで検索してみると……。

 

 

「岩手だと造園の会社はあるんですが、芝生専門の会社はなかなかなくて……。でも、そこで出てきたのが『平野ターフ』で、しかもその会社が地元にあると知って働いてみたいと思ったんです」

 

 

現在、里佳さんは「平野ターフ」に勤めて3年目。実際に働いた感想は……。

 

 

 

 

▲北上市民の憩いの場「詩歌の森公園」の芝刈りも「平野ターフ」が行っています。写真は芝生を刈る里佳さん。

 

▲乗用型の芝刈り機に乗り、作業する里佳さん。「花巻球場」にて。

 

▲小学1年からサッカーをはじめた里佳さん。学生時代はサッカー漬けの毎日だったそう。写真は大学時代。

 

 

 

まっすぐ伸びる芝生のラインを誇りに。

 

 

 

大学時代にJリーグのチームの天然芝のグラウンドを手入れする手伝いをしたことがあるとはいえ、“芝生の管理”に対する特別な勉強も仕事の経験も積んでこなかった里佳さん。

 

 

「右も左もわからない状態で入社したので、芝生の上でやってはいけないこととか、機械の危ないところから、本当にイチから全部教えてもらいました」

 

 

 

 

 

 

芝生の管理の仕事は、伸びた芝を刈るだけではありません。健康な芝生を育てながら、競技ごとに最適な状態に保つため、水やり、肥料や薬剤の散布、雑草や害虫の駆除などを季節に合わせて行う必要があります。また、秋には冬越しのための準備、春には雪解け後の対策など、雪国ならではの仕事も。

 

 

「その他にも芝生が弱っているところには穴を空けて通気性を良くしてあげる“エアレーション”という作業や、芝生のデコボコを治したり根の乾燥を防いだりするために砂を入れたり、細かな作業もたくさんあって、その分、覚えなければならないこともたくさんあって大変です。

 

 

でも、仕事が終わってキレイになった芝生を見たときの達成感がすごくて、それがやりがいになっています」

 

 

 

 

 

 

そう語ってくれた里佳さんですが、得意な作業を尋ねると……

 

 

「機械に乗って芝刈りをする作業は『意外とうまいね』と言われます」と即答。そして言葉を続けます。

 

 

「機械に乗ってまっすぐに芝を刈るのって難しくて、私もまだまだ勉強中なんですが、それでも最近は『うまいね』と言ってもらえることが増えてきました(笑) 高校野球のシーズンとか、テレビで見ていると芝のラインがまっすぐ伸びていてキレイですよね。あのまっすぐなラインというのが経験を積まないと難しくて、結構うねうねと曲がっちゃうんです。グラウンドごとに使う機械も違いますし、ハンドルの使い方とかも難しくて……。

 

 

もちろん、ゆっくりやればキレイにできると思うんですけど、作業時間も限られたなかで、すぐその後に利用の予定が入っていたりすると焦りますし……。そういう作業なので、褒められると自分も少しは成長したのかなって思います」

 

 

「“天然芝”っていうだけでテンションが上がる」と最初にも語っていた里佳さんだけに、刈込みラインをまっすぐに揃え、キレイに仕上げることにこだわりを持ち、一生懸命取り組んでいる様子がその言葉からもよく伝わってきました。

 

 

 

 

▲里佳さんも芝刈り作業に携わった「花巻球場」の芝。

 

 

 

そんな里佳さんですが、サッカーをやるときも……。

 

 

「サッカーの試合であちこちの会場に行きますが、どこに行っても芝生の状態が気になります(笑)

 

 

キレイに刈ることももちろん大事なんですが、手入れがきちんとできていないと雑草が生えてきたりしますし、そういうのを見ちゃうと『薬剤が合ってないのかなあ』とか考えちゃって、改めて『うちの会社は、やっぱりすごいなあ』と思ったりして(笑)」

 

 

そう語ってくれた里佳さんには、ある目標が……。

 

 

 

 

 

仕事も、サッカーも。飛躍の年へ。

 

 

「3月に『芝草管理技術者3級』の資格試験を受けるんですよ。その資格があると傷んだ芝生の対処方法とか、病害や害虫の防除対策とか、自分でも考えて取り組むことができます。

 

 

今までは指示されたことをやるだけだったんですが、その資格があれば自分から動けるようになるので、今はその資格を取ることが目標です」

 

 

取材に訪れた日は、同じ資格の2級を取得している先輩と薬剤散布の仕事を担当。テキパキと作業をこなす先輩の姿に、「いつか自分も」と決意を強くします。

 

 

▲この日は、グラウンドに薬品を散布する先輩をサポート。

 

 

 

また、小学1年から続けているサッカーも、来季が楽しみに。里佳さんが所属する「奥州ユナイテッドFC プリンセス」は、今季「岩手県女子リーグ」を全勝優勝。東北各県代表が参加する参入戦にも勝利し、来季は東北女子2部リーグに復帰が決定しました。

 

 

「来年度は、東北女子2部リーグに定着できるようにがんばります。実は今、小学生の女の子でサッカーをやる子が少ないんですよ。ですから、もっともっと女子サッカーを盛り上げて、小さな女の子もサッカーをやってみたいと思ってもらえるようにしたいですね」

 

 

芝生管理の仕事も、サッカーも。2024年は飛躍の年になりそうな里佳さん。今後の活躍が楽しみです。

 

 

▲里佳さん(写真前列左より4人目)が所属する「奥州ユナイテッドFC プリンセス」のメンバーと。

 

 

▲今年度は「岩手女子フットサル選手権大会」でも優勝。決勝戦では里佳さん(写真前列左)も2ゴールを決める活躍!

 

 

 

 

最上里佳さんが働く職場:株式会社 平野ターフ

 

 

岩手県北上市柳原町2-3-8
Tel/0197-63-6006