KITAKAMI NEWS

今を大切に、心の赴くままに潜り、撮り続けたい

2020年6月26日

広報きたかみ

(広報きたかみ令和2年6月26日号転載)

 

今を大切に、心の赴くままに潜り、撮り続けたい

高橋 怜子さん

 

 

水中写真家の高橋怜子さん( 村崎野)は2018年、国際的な写真コンテスト「ナショナルジオグラフィック・トラベル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」で日本人初のグランプリを受賞しました。

 

会社員から写真家に転身して間もない受賞。
それ以来、高橋さんを取り巻く環境は大きく変わりました。
海外メディアの対応や日本では密着取材を受けるほか、北上市芸術文化奨励賞を受賞するなど注目を浴び続けていますが、「3年前、会社を退社した時に目指した『行きたい所へ行き、撮りたいものを撮る』という姿勢は今も貫いている」と、彼女自身何も変わりません。

 

グランプリに輝いた作品「MERMAID 」(マーメイド)は、沖縄県久米島のホエールスイムに参加した際に出会った、ザトウクジラの子どもを撮影したもの。
大きくて美しい、けれども傷だらけの尾びれに魅了され、夢中でシャッターを切りました。

 

メキシコ、フィリピン、ガラパゴス諸島、粟国島(あぐにじま)、石垣島など、一年のうちの半分は撮影の旅に出るいう高橋さん。
北上に戻ると、画像の整理と編集に追われます。
一つの旅で撮影した1000点を超える画像から、作品として世に出るのは一枚あるかないか。
その編集作業は数カ月に及ぶこともあるそうです。

 

年内の活動は、熊本県水俣市の海に生息するタツノオトシゴの一種「ヒメタツ」や、八丈島でよく見られる「アオミノウミウシ」の撮影を予定。
その先は、南極や北極でペンギンやシャチの撮影を目標に見据えています。
「新型コロナウイルスによって私たちの生活が変わるという想像できないことが起こる中で、今を思う存分生きることの重要さを感じている」という言葉には、転身後から貫く強い信念が表れています。