KITAKAMI NEWS
【市民ライター投稿記事】盆ジュール&夏のにぎわいフェア ~10年経ったさくらホールの盆踊りイベントに新しい取り組みを加えて~
コロナ禍で様々な制限を受けてきたイベントがほぼ元通りになったこの夏、あちこちで夏のお祭りも完全復活となり盛大に実施されました。
北上でいえば、みちのく芸能まつりもその一つです。ですが、今回あえて推すのは「盆ジュール」。え、「ボンジュール」じゃないの?いえいえ、「盆ジュール」。
「盆ジュール」は今年オープン20周年を迎える北上市文化交流センターさくらホール(以下、さくらホール)が今から10年前、さくらホール主催の初の野外イベントとして企画し、現在に至ります。コロナ禍では、やむなく中止になったり、オンラインベントでの実施(「盆ライン」)になったりもしました。
また、昨年からは市民ボランティア「さくらパークプロジェクト実行委員会」主催による「夏のにぎわいフェア」を同時に開催し、さらに個性豊かなイベントへ変貌しつつあります。
この「盆ジュール」と「夏のにぎわいフェア」、他にはない(と思われる)特色は、
- ・さくらホール主催事業のため、やぐら設営から音響操作に至るまで完璧なサポート
- ・開催場所が駐車場なので車で来場・乗り入れ可能
- ・雨天でもさくらホール内で開催可能
- ・地元黒沢尻2区との協働開催(こども 縁日開催)
- ・オリジナル盆踊りソングと振り付けの存在
- ・コンテンポラリーダンス集団「コンドルズ」メンバーの参加と踊りのレクチャー
- ・プロミュージシャンの指揮による当日限定結成の吹奏楽(ブラスチーム)生演奏
- ・幸の会、 やよい会、 黒沢尻鬼剣舞、専修大学北上高等学校郷土芸能部の参加
- ・さくらホール利用団体によるステージ発表
- ・高校生ボランティア(今年は専修大学北上高等学校の生徒が参加)
- ・地元のキッチンカーによる飲食販売
- ・地域のクラフト・ワークショップ
- ・着物・ゆかた着付けサービス(しかも無料)
とたくさんあって、ちょっと地域のイベントとしては豪華なのです。
市民ライターの私(安藤)は、このイベントに「さくらパークプロジェクト実行委員会」による夏のにぎわいフェアスタッフと盆ジュールブラスチームの一員として参加しました。ぜひ皆様が来年お越しいただける参考となるよう、このイベントを少し紹介したいと思います。
まず、さくらホール職員と利用者などから構成される「さくらパークプロジェクト実行委員会」企画としては、ステージ発表、地域のクラフトショップによる販売、キッチンカーによる飲食ブースの展開があげられます。
ステージ発表では、日頃さくらホールで練習や発表を行っている団体がエントランス 付近のスペースをステージ代わりにして実施されました。そのバラエティの豊かさも特徴で、今年は前半は子どもたちによる発表としてエレクトーン演奏、合唱、ダンスが行われ、後半には大人感満載のベリーダンスとフラダンスが発表されるという怒濤のプログラムなのです。普段はイスやテーブルが置いてある場所に音響と照明をセットし、間近で気軽に音楽やダンスを気軽に楽しめる企画でした。
この発表と並行して、二階の中ホール前では地域のクラフトショップの展示・販売やワークショップが展開されました。アクセサリーや雑貨だけでなく、占いや本までと、こちらもその幅の広さにビックリ。ワークショップを併設するお店も多く、子どもたちにも好評でした。
駐車場には飲食ブースとして、地元の飲食店などのキッチンカーや出店が集合し、定番のたこ焼きや焼きそばはもちろん、カレーや沖縄料理に至るまでこれまたバラエティ豊かなメニューが並びました。
さらに、その一画には地元黒沢尻2区の皆さんによるこども縁日が設けられ、スーパーボールすくいや射的などが楽しめる手作り感あるイベントも開催されていました。高校生のボランティアはこの設営やスタッフとして子どもたちの対応をしてくれました。
これらを行いつつ、夕方からは「盆ジュール」の開催へ繋がります。こちらのプログラムも豪華で、盆踊りはもちろん、さんさや鬼剣舞もあり、子ども向けにはこどもおもしろ体操や櫓からのお菓子まきなど、老若男女が楽しめるプログラムが組まれています。
その中でも大きな特色は、何と言ってもオリジナルの盆踊りソングの存在です。「ハヤテ」というタイトルのその曲は、北上市の花「しらゆり」や鳥「きせきれい」などが歌詞に登場するも、盆踊りらしからぬ歌詞です。そもそも歌い出しが「ラッキー ラッキー ゴールデンラッキー」で始まりますからね・・・。興味ある方はぜひ動画をご覧下さい。
そして、盆踊りの振り付けはコンテンポラリーダンス集団「コンドルズ」主催の振付家でもある近藤良平さんが担当され、これもいつもの盆踊りにはない振り付けが・・・。そして、この振り付けを当日コンドルズのメンバーが教えてくれるという豪華展開なのです。
さらに、この踊りの伴奏を毎年この日のためだけに結成されるブラスチームが生演奏します。「ハヤテ」をブラスチーム用に編曲したBLACK BOTTOM BRASS BAND(ブラック・ボトム・ブラス・バンド)のYASSYさんの指導のもと(今年はトロンボーン奏者の加藤直明さんが担当)、年齢も所属も違うメンバーが集まり演奏するのです。もちろん、「ハヤテ」だけではなく、「北上おでんせ」やベートーヴェンの名曲を盆踊りに変えた「第九音頭」なども伴奏します。
お祭りのフィナーレはみんなで踊るだけでなく、踊りを頑張ってくれた子どもを中心に表彰も行いました。今年は鬼剣舞を踊ってブラスチームでトランペットも演奏するという大谷選手顔負けの二刀流を披露した子どもも表彰されました。
今年、コロナ禍で中止になっていた多くのお祭りが再開される中、私の職場のある新穀町では、毎年開催されてきたお祭りがコロナでの中止を経て、そのまま開催されないことになりました。また、今年初めて「盆ジュール」に参加したブラスチーム指揮者の加藤直明さんは、自分の地域でも盆踊りはあるけどこんなに盛り上がったお祭りではないという話をしていました。「ハヤテ」の振り付け指導をしたコンドルズの安田さん、山本さんは、毎年振り付けを教えて10年経って、でもちょっとずつ新陳代謝が進んでいるという話をしていました。
地域での繋がりが希薄になっていく中で、新たな地域の繋がりを作り出す取り組みをさくらホールは続けてきました。そして、今年は開館20周年を迎え、11月には開館20周年事業も予定されています。興味のある方はぜひそちらにも足を運んでいただきたいですし、来年の夏はぜひ「夏のにぎわいフェア」「盆ジュール」にお越し下さい。そして、「さくらパークプロジェクト実行委員会」として、運営に協力してくれる方も大募集しています!