KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.40 美容室で笑顔に。 子どもの頃の夢に向かって。

2023年7月7日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

美容室で笑顔に。
子どもの頃の夢に向かって。

 

 

vol.40
釜石 莉礼(かまいし りんら)23歳

 

 

子どもの目に映った美容師の世界とは?

 

 

小さい頃、お母さんに連れられて行った美容室の風景が、釜石莉礼(りんら)さんの原点です。

 

 

「そこで働いているヒトもお客さんも、みんな楽しそうなんですよ。お店の雰囲気も親しみやすくて、小さな私も居心地が良くて、みんなキレイになって、うれしそうで……。そういう美容室が大好きでした」

 

 

以来、「美容師になること」が莉礼さんの夢になりました。子どもの頃の練習相手は3つ下の妹さん。

 

 

「よく美容師のマネをして、妹の髪の毛で遊んでいました(笑) 髪の毛を触っていると楽しくて、早く美容師になりたいと思っていました」

 

 

 

 

その想いは中学・高校になっても変わらず、高校を卒業すると迷わず美容師の専門学校へ。そして、その2年後には専門学校を卒業し、北上市にある「美容室Capelli(カペリ)」に就職したのが2021年4月のこと。……とここまでは夢に向かって順調に歩んできた莉礼さんですが、学生から社会人になって最初は戸惑うことも……。

 

 

莉礼さんが勤める「美容室Capelli」は予約不要の手軽さとリーズナブルな料金設定に加え、元気で明るい雰囲気とトレンドを意識しながらお客さまの希望や髪の悩みにも応える高い技術力と丁寧な接客が好評で、若い方からお年寄りまで幅広い世代に人気の美容室です。

 

 

▲2009年にオープンした「美容室Capelli」は、北上駅東口から徒歩7分の好立地にあります。

 

 

一般的に、美容師専門学校を卒業したばかりのヒトは、先輩スタイリストのサポートを中心に受付業務やお客さまのご案内、タオルの洗濯・掃除などをこなす「アシスタント」からスタートします。もちろん莉礼さんもアシスタントとして美容師の道を歩みはじめたわけですが……。

 

 

「専門学校でも実際のサロンで研修する機会があって、私も経験してはいましたが、実際に働くとなると……。技術的なことだけでなく、接客の仕事も大事なんですけど、私はおとなしい性格なのでお客さまと会話するのも最初は上手にできませんでした。それにアシスタントだとシャンプーも担当するので特に1年目は手荒れがひどくて……。やっぱり学校と社会に出てからでは全然違いますし、仕事に慣れるまでは苦労しました」

 

 

そんな莉礼さんを支えてくれたのが……。

 

 

▲先輩スタイリストの指導でカットの練習をする入社1年目の莉礼さん(写真右)。

 

 

▲サロンの営業終了後、自主練習中のアシスタントのみなさん。

 

 

▲莉礼さんは次のテストに向けてブローの練習中。

 

 

高め合い、支え合う仲間や先輩たち。

 

 

「美容室Capelli」は、同店を含め北上市に2店舗、花巻市に2店舗、紫波町・矢巾町にそれぞれ1店舗、盛岡市に2店舗、合計8店舗を展開する「ai GROUP(アイグループ)」の一員です。

 

 

同グループでは人材育成にチカラを入れており、高卒で入社し働きながら通信制専門学校に通い美容師資格を取得できるようにサポートする制度や、ひとりひとりの個性や成長に合わせて段階的に技術力を高め、ステップアップできる独自のカリキュラムを用意。

 

 

▲月1回開催される北上・花巻地区の4店舗合同の勉強会。この日はアシスタント9名が参加。

 

 

さらに、グループの全店舗のアシスタントが集まる勉強会を月1回、地域ごとに集まる勉強会も月1回開催しており、スタイリストをめざし共にがんばる仲間たちが切磋琢磨し、ときに励まし合いながら技術を高め合っています。

 

 

莉礼さんもそうした環境のなかで出会った仲間や先輩に……。

 

 

「最初は仕事に慣れなくて戸惑うこともありましたが、先輩にいろいろ気に掛けてもらって相談に乗ってもらったりしているうちに、アッという間に2年が経ちました。苦手だった接客の仕事も、先輩たちのやり方を見たり、アドバイスをもらって自分なりに勉強しているうちに自然と出来るようになってきました」

 

 

莉礼さんは笑顔でそう語ってくれました。そして、そんな莉礼さんを支えてくれたのがもうひとつ。

 

 

「やっぱり自分が成長していると実感できるところが励みになっています」

 

 

▲同じく合同勉強会にて。先輩スタイリストのアドバイスを受けながら何度もチャレンジ。

 

 

莉礼さんが語る「成長が実感できる」とは、「ai GROUP」が実践している独自のカリキュラムのこと。その内容を見るとシャンプーにはじまり、カラーリング、ワインディング(髪にロッドを巻く作業)、パーマ、アイロン、ブロー、カットと各技術に分かれ、その内容もさらに細分化されており、そのひとつひとつを練習して技術を習得し、高め、テストに合格すると次のステップに進むことができるようになっています。しかも、合格するとお客さまにもそのサービスを提供できるようになり……。

 

 

「テストに合格するとそれが自信になりますし、自分ができるようになったサービスでお客さまがキレイになっていったり、そのことで喜んでもらえたりすると私自身もすごくうれしくなります」

 

 

自分の成長が日々実感できること。しかも、それがお客さまの「キレイ」や「喜び」につながっていること。それが莉礼さんの励みとなり、やりがいにつながっているのでした。

 

 

▲使い込まれた莉礼さんのカリキュラムと、先輩のアドバイスをメモしたノート。

 

 

ジャスミンの花のように、美しく。

 

 

莉礼さんは現在ブローを練習中で、残り5つのテストを合格すると次はいよいよカットの段階へ。そして、そのテストもクリアすると最後は……。

 

 

「一(はじめ)さんのテストを受けて合格するとスタイリストになれます。一さんは美容師としてもすごい方で、カットの練習でもわかりやすく的確にアドバイスしてもらえるので、とても勉強になります」

 

 

 

 

「一さん」とは「ai GROUP」の佐々木一代表のことで、20代の頃には表参道・原宿、さらにはロンドンなどでも美容師として働き、技術を磨いてきた方で、現在はその経験をいかして「ai GROUP」代表として後進の育成に努めています。より細かなカリキュラムを用意し、ひとりひとりの個性や成長に合わせて技術を高め、アシスタントからスタイリストへと育てていくのは、確かな技術を身につけ、40・50・60代になってもスタイリストとして輝き続けられるようにという願いからです。

 

 

▲合同勉強会で指導する「ai GROUP」の佐々木一代表。

 

 

そうした環境のなかで、莉礼さんも子どもの頃からの夢に向かって技術を磨き、高めながら、一歩一歩前進中です。そんな莉礼さんに美容師として大切にしていることを尋ねると……。

 

 

「いつも“丁寧”にやることを心がけています。ただ、丁寧すぎるというか、それで仕事が遅くなってしまうときがあるので、今は丁寧にやりつつもスピードをあげていくことも意識してやっています」

 

 

 

 

ちなみに、「莉礼」(りんら)という名前はおじいちゃんがつけてくれたそう。ジャスミンの花の和名「茉莉花」(まつりか)の「莉」(り)と、「礼儀」の「礼」を取って命名。そこにはジャスミンの花のように美しく、礼儀のある子に育ってほしいという願いが込められています。

 

 

「みんなに『読めない』って言われます(笑)」

 

 

照れ笑いを浮かべながら、自分の名前の由来を説明してくれた莉礼さん。お客さまの希望や髪の悩みに寄り添いながら、美しいヘアスタイルに仕上げる美容師の仕事にぴったりの名前だとお話を聞きながら思いました。

 

 

子どもの頃からの夢に向かって真っすぐの莉礼さんは、どんな美容師になるのでしょうか。今後が楽しみです。

 

 

▲Capelliでいっしょにがんばる仲間や先輩と。

 

 

▲専門学校時代から愛用している莉礼さんのハサミ。

 

 

 

 

釜石莉礼さんが働く職場:美容室カペリ(ai GROUP)

 

岩手県北上市川岸4-1-1
Tel/0197-65-2926

 

 

「20代の肖像」はきたかみ仕事人図鑑とのタイアップ企画です

 

 

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