働く/まちのインタビュー

地域包括支援センター「わっこ」管理者 老林 聖幸さん

北上市にある5つの地域包括支援センター。その一つ「わっこ」の主任介護支援専門員として働くのは老林聖幸さんです。高齢者の生活や健康を支える専門分野との橋渡し役として、江釣子・和賀エリアを動き回っています。市内出身で幼い頃から福祉職に就くのが夢だったと話す老林さんにとって、地域の高齢者と関わりながら北上で暮らすことは、迷いがない「あたりまえの選択」。その背景にある想いを伺います。

  • 地域包括支援センター「わっこ」の様子1
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花びら

高齢者のなんでも相談屋、
それが私の仕事です。

私たちが所属する地域包括支援センターの仕事は、一言でいうなら「高齢者のなんでも相談屋」。地域で活動するケアマネジャーの支援、認知症予防や健康増進の相談、地域のネットワークづくりなど、仕事の領域はあってないようなもの。直接対応する場合もあれば、専門職につなぐ場合もあります。社会福祉協議会や市役所、警察署や消防署、地域の人、時には遠方に暮らすご家族と連絡をとることも……。
また、北上は企業も多いので、社内向けに介護保険や認知症の学習会を行うとか。動き方も関わる相手も多岐にわたります。いざという時は地域の皆さんが頼りになるので、たまに地域の会合に顔を出してお酒を飲みながら話を聞いたり(笑)。専門職同士だけでなく、地域の人たちとつながるように心がけています。

今、北上市では高齢者を支える横の連携が生まれつつありますが、その足がかりになったのが2017年にスタートした「ケアラボ@北上」です。これは、北上市を中心に医療や福祉や介護のスタッフが情報を共有し、気づき、学び合う場が欲しいという思いで始まったもの。

老林 聖幸さんの画像
老林 聖幸さんの画像

高齢者を取り巻く課題について何ができるのか、垣根を取り払って一緒に考えていく場です。モットーは「気軽に遊び感覚で楽しく」。BGMをかけてカフェ風にし、参加しやすくしています。ケアラボに参加して顔見知りになったおかげで、現場で偶然チームになった時にスムーズな対処ができたという声もありますよ。

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地域包括支援センター「わっこ」の様子

誰もが福祉を、「自分ごと」として
考える北上に。

ケアラボは専門家同士のつながり。次は、もっと地域の皆さんや事業者さんと福祉との関わりも深めていきたいです。若い人たちが高齢者福祉のことを考えるなんて、一見縁遠い話のようですが、誰もが住みやすい北上にするために、皆が高齢者の生活を、未来の「自分ごと」に捉えて関われば地域福祉はずいぶん変わると思っています。それって、子どもたちの未来に安心した環境をつくることでもあります。
領域にとらわれず、過ごしやすい北上にしていきたい。お年寄りだけでなく若い人たちも「ここで歳をとって、ここで一生を終えたい」と思えるように。私の仕事は、そこを引っ張っていく役割も担っているのかもしれません。

あなたにとって北上はどんなまちですか?

考えたこともなかったですが、あえていうなら「家」でしょうか。みんなが家族で住民一人ひとりに役割があると思えば、将来のことを真剣に考えるようになる気がします。小さな課題はあるけど、それはどこに暮らしたって同じ。ここには、一緒に動ける人がいるから、お互いが安心して過ごせるまちに近づけていけばいいですよね。

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いろんな分野、
世代の仲間が欲しい!

今、活動の一環として、地域のお店を借りた週1回のサロンを開催しており、地域の高齢者が健康体操などで体を動かし、楽しみながら交流する場になっています。でも、自分から来られない、来たくない人をどうケアするか。地域の皆さんを巻き込んだ草の根運動と共に、大きなムーブメントも必要だと思っています。
そのために必要なのは人材!仲間が欲しいですね。私は地域包括支援センター職員の一人に過ぎませんが、全く違う分野でさまざまなスキルを持った人、あるいはまちへの強い思いを抱えている人もいるはず。世代も分野も関係なく、キーマンを見つけていきたいですね。

地域包括支援センター「わっこ」の様子

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