KITAKAMI NEWS
【市民ライター投稿記事】“知れば楽しい” 北上市立博物館へ!
令和が始まって早5年目。
皆さんはどんな一年にしたいですか?
わたしの今年の抱負は、健康・自分磨き・節制です!
思うように生活できない日々が続いていますが、
一日いちにちを大切にしていきたいですね。
さて、2023年の北上市はどのように変わっていくでしょうか。
昨年は、キオクシア岩手の新しい工場が本格的に着工。それに伴ってたくさんの人が北上にやってきました。また、市内や近隣自治体にも多くの企業が進出しているようです。
身近なところだと、駅前や中心市街地に新しい建物が増えましたね。 目に見える大きな変化がありました。
我が家の近くでは、相当数の新築ができて風景も様変わりしてきています。
田んぼも少なくなってきたなーと。
そんな北上市の変化を、皆さんはどれくらい感じ取っていますか?
変わりゆく地元を “残す” ことも大切であることを
教えてくれる場所があります。
<もくじ>※クリックすると各見出しにジャンプします
2. 開館50周年『企画展』の写真を募集します!学芸員さんに企画展に向けた思いを伺いました
4. アルバム広げてみた!50年代の学生って実は今どきかも?皆さんの写真もお待ちしています!
1.“知れば楽しい” 北上市立博物館へ!
今回、取材に伺ったのは北上市立博物館の本館です。
みちのく民俗村に隣接し、郷土の歴史について展示しています。
お伺いした日には、常設の展示に加えて
特別展と企画展も開催されていました。
主任学芸員である川村明子さんのご案内で
とても充実した時間を過ごすことができました。
川村さん曰く、博物館の醍醐味は「知れば楽しい!」
特別展、企画展ともに江戸時代がテーマ。特別展では、鬼柳にあった宿場の古絵図や、駅の案内図のように当時の宿駅がつながった長い絵巻のようなものを見ることができました。鬼柳と花巻が宿駅のお隣でした。鬼柳は仙台藩の境だったからですね。
他にも国見山廃寺のことや、
江釣子古墳群、稲瀬町にある樺山遺跡のことなど。
模型や立体地図を用いた展示もあって、なんと楽しいこと!
歴史好きにはたまらないですし、地元の博物館だからこその親近感や共感ができて、まさに「知れば楽しい」を実感できました。
2. 開館50周年『企画展』の写真を募集します!学芸員さんに企画展に向けた思いを伺いました
北上市立博物館は来年度、開館50周年を迎えます。
その記念事業として「50年後にも残したい・伝えたい北上市」という企画が進んでいます。そこで、市民の皆さんからこの展示に使用してもよい写真を募集しています。(募集サイトはこちら(外部リンク))
川村さんにこの企画への“思い”や企画の“意義”を聞きました。
今回募集する写真は、主に昭和50年代から平成・令和にかけてのおよそ50年間に撮影された写真です。
実は、昭和48年から50年代は、カメラが一般家庭に普及した頃。
プロのカメラマンや写真家のものではなく、“市民による市民の暮らしの写真”であることが、この企画の大切なところ。
例えば、お誕生日会の写真。写る人の洋服や背景にある家電、食器などからなつかしさを感じることができますよね。
普段の暮らしの写真を残すことが重要だと繰り返していた川村さん。
というのも、2021年の市制施行30周年をきっかけに博物館の収蔵資料を調査したところ、昭和後半期から平成、現在までの資料が少ないことがわかった、とのこと。
“今生きる自分たちが残さない限り、未来に残るものがない”
だから、企画をきっかけに記憶の証拠となる写真を残したい、―川村さんの思いです。
印象に残った言葉は 『記憶の集成』 です。
集成とは、たくさんのものを集めて一つにまとめあげること。
記憶の集成をするために、証拠となる写真を見てみたい。そのためには市民の皆さんの力が必要になります。未来のために“残す”ことが、博物館の役割であり意義でもありますよね。
みなさんの持ち寄った写真が、歴史の一部を伝え続けてくれるんです。ちょっとウキウキしませんか?
川村さんの目は、未来を見据えていて
とてもきらきらしていて
企画展がより楽しみになりました。
3.貴重な資料を拝見!
昭和40年代から50年代の記憶
今まで集められた貴重な資料も見せてもらいました。
~ 時代を切り取ったものって、おもしろい!~
川村さんとわたしと母親の3人で写真を見たのですが
それぞれの年代の感想があって、会話がはずみ、とても楽しかったです。
見る視点によって感じ方が違うので
間違い探しのような、絵を鑑賞しているような
そんな気分で、わくわく。
もう一つは、ぐんきんのご主人であった郡司直衛さんの記憶。
戦前から近年の写真を、ご自身のコメントとともにスクラップブックにまとめたものです。
今回は、実物ではなくスキャン画像で見せていただきました。
スクラップブックでなんと80冊!
見出しや写真へのコメントは、さながら新聞。
町の移り変わりは短いサイクルで進んでいること、
中心市街地の賑わいや雰囲気を十分に読み取ることができます。
郡司さんが、まめで几帳面で地元が好きだったこと、
よく伝わります。
きっと郡司さんにとっては何気ない日常で、
スクラップを楽しんでいたのではないでしょうか。
渡辺さんは立花地区のことを、郡司さんは中心市街地のことを、それぞれの土地の記憶を切り取った写真たちは今の私たちを楽しませてくれました。
そんなふうに、近所の日常、風景、祭り、小さい行事
を大事に残す。一緒にしてみませんか?
一人の記憶が、それぞれの地区の記憶が集まれば
大きな記憶の証拠になって未来に残ります。
4.アルバム広げてみた!
50年代の学生って実は今どきかも?
皆さんの写真もお待ちしています!
家に帰って さっそくアルバムを広げてみました!
たくさんのアルバムを見るのは大変でしたが
“50年後に残したい”そんなに大それたことじゃなくても自分のこどもや孫に見せたくなるような写真がたくさんありました。
両親と団らんしながらアルバムをのぞく時間も
とっても楽しかったです。
最近では、写真を撮ることが当たり前になって
その価値や意味が変わってきている気がします。
手軽になる中で、日常の切り取りはしやすくなっているのです。
でも、「大事にする、吟味して残す」ことが
おろそかになってしまっていることも事実ですね。
写真の貴重さ
それを残すことが大切であること
を川村さんをはじめ、市立博物館に改めて感じさせてもらいました。
企画展は秋頃に、写真は6月頃までに
企画展は、秋頃の開催の予定です。
写真の収集は6月末ころを目処にするそうです。
博物館では、写真のほかにも
昔の制服や学校の思い出の品、コロナで中断を余儀なくされた地区のお祭りなどの写真も募集しています。
また、イベントとして
講演会や記録映像の上映、
50年代より昔の写真のスライドショーを
検討しているそうです。
北上に来てくれた人は新しい発見を、北上で生まれ育った人は懐かしさと変化をみんなで共有しましょう!
「皆さんもおうちのアルバム、広げてみませんか?」
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