KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.6 山田 愛(やまだ あい 26歳)

2020年9月14日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

 

居るだけで、その場が
明るくなるような介護福祉士へ。

 

 

やりたいことにどんどん挑戦! そんな26歳の現在地

 

小学校3年生の頃から憧れていた「保育士」になるという夢を叶え、充実した日々を過ごしていた山田愛さんが、グループホーム「おおきな木」で働きはじめたのは2019年7月のこと。

▲取材に訪れたときは、塗り絵の時間。入居者さんに寄り添う愛さん。

 

「子どものことは大好きですし、保育士の仕事も嫌いになったわけでは決してありません。

 

もともとヒトとかかわる仕事が好きで、保育士になって3年目ぐらいから介護の仕事にも興味がわいてきたんです」

 

そんなとき、知人が勤める認知症対応のグループホーム「おおきな木」を見学することに。やりたいことにどんどんチャレンジしたいと思っていた愛さんですが、「介護」の仕事は資格や経験が必要で、「未経験の自分にはできないのでは?」と不安だったそう。しかし……。

 

 

「実際に認知症の方をお世話するスタッフさんたちの仕事ぶりを見て、未経験という不安よりも、『自分にもできることがあるなら少しでもお手伝いしたい』という気持ちが強かったんです。

 

それに、ここ(おおきな木)は未経験のヒトでも受け入れるということだったんですが、実際に見学に訪れてみると、社長をはじめスタッフのみなさんも本当に良くしてくださって……。こういう方たちと働いてみたいと思えたことも大きいですね」

 

そうした出会いに勇気をもらって、保育士から未経験の「介護」の世界へ。愛さんの新しい挑戦がはじまりました。

 

▲グループホーム「おおきな木」の施設長であり、同施設を運営する「株式会社connect」の社長・黒澤 豊さんと。黒澤社長の印象は見学のときと変わらず、「いつも穏やかなでスタッフをとても大事にしてくれます」と愛さん。

 

▲「おおきな木」では、季節に合わせたイベントやレクリエーションも盛りだくさん。愛さんも先輩たちと一緒に大活躍!

 

 

「ありがとう」という言葉にエネルギーをもらって。

 

インタビュー中もずっと笑顔だった愛さん。「仕事は楽しいですか?」というこちらの質問にも「楽しいです!」と即答してくれるほど、毎日が充実している様子。

 

 

「この仕事をしていると、入居者さんたちからよく『ありがとう』と言っていただけるんですよ。私がすることで誰かに喜んでもらえて、しかもそれを日々実感できるので、すごくやりがいがあります」

 

そう語る愛さんですが、「おおきな木」で働いて1年が経ち、改めて今「介護」という仕事の難しさも痛感しています。

 

「この仕事は入居者さんがお亡くなりになるまで、日々の暮らしをお手伝いすることですが、やっぱり入居者さんも高齢の方たちなので、元気だと思っていた方もだんだん弱ってきて、できないことも増えてきます。

 

そういうときにはより専門的なサポートが必要で、私も先輩たちに教わりながらやってはいますが、もっともっと勉強しなきゃと思っています」

 

そんな愛さんがこの仕事をするようになって強く印象に残っているのは、“ごはん”のこと。

 

「当たり前のことかもしれませんが、人間は“ごはん”が食べられなくなると……。

私が入ってから3人の方が亡くなられました。私はまだ入居者さんを看取った経験はないんですが、それでも昨日までいらした方が突然いなくなるという経験をすると、私自身も後悔がないようにというか……。

 

その方が聞こえていなくても声をかけたり、ジェスチャーしたり、自分なりにできることは全力でして、最期に『ここで暮らせて良かった』と思ってもらえるようにしたいと思って日々の暮らしのお手伝いをしています」(愛さん)

▲保育士から介護の世界に飛び込んだ愛さん。保育士のときはなかった料理のお手伝いをすることも。まだ1年でわからないことも多いそうですが、「わからないことはわからないままにせず、すぐ聞く」ことがモットーだそう。

 

▲「おおきな木」では月イチで勉強会を開催しており、こちらはその資料。偶数月はスタッフみんなが、奇数月は介護経験の少ないスタッフが対象。「私のような新人のために先輩たちが資料を用意してくださるので、本当にありがたいです」と愛さん。

 

 

▲愛さんは入居者さんのご家族に届ける広報誌の制作も担当。「おおきな木」では季節のイベントからその日にひらめいたドライブまで、いろいろなレクリエーションを企画しており、毎回さまざまな取り組みが誌面を彩ります。

 

 

「がんばりすぎないで」という言葉に見守られて。

 

自分のことを「責任感が強いタイプ」だと語る愛さん。こちらの質問に一生懸命答えてくれる態度にもそれがよく表れています。そんな愛さんが社長や周りの先輩スタッフさんによく言われるのが、「がんばりすぎないで」という言葉。

 

 

「保育士の頃はクラス担任もしていたので、準備も含めて全部自分ひとりでやっていました。それはそれで毎日が充実していて仕事も楽しかったんですが、ここ(おおきな木)はチームワークが大切。何をやるにしても“ひとり”に任せることはなくて、なんでも“みんな”で支え合ってというスタイルです。

 

そういうところで働くのは初めてで、『がんばりすぎないで』という言葉も新鮮でした。ただ、ずっとひとりでがんばってきたので、その切り替えがなかなか……」

 

そう言って照れ笑いを浮かべる愛さんは、どんな介護福祉士をめざしているのでしょうか。

 

「居るだけで、その場が明るくなるようなヒト(笑) 入居者さんが笑顔になってくれたら私もうれしいので、そのために自分ができることを精一杯する介護福祉士です!」

 

と元気な答えが……。その言葉を聞いたら、さっそく黒澤社長や先輩スタッフさんたちから「がんばりすぎないでね」とアドバイスされそうですが、その言葉に見守られ、入居者さんたちからの「ありがとう」の言葉にエネルギーをもらいながら、愛さんは今日も笑顔で入居者さんたちのもとへ……。

 

▲グループホーム「おおきな木」には保育園「ちいさな木」も併設。2つの施設は園庭でつながっており、子どもたちが遊ぶ様子に入居者さんたちも笑顔に。また、自分の子どもを預けて「おおきな木」で働くスタッフさんもいて、愛さんもいつかは自分もと……。

 

山田 愛さんが働く職場:グループホーム  おおきな木

 

岩手県北上市村崎野20-64-3
Tel/0197-62-3316
[運営:株式会社connect]

 

◇「グループホーム おおきな木」については、「きたかみ仕事人図鑑」でもご紹介しています。詳細は、こちら!