KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.34 地域に寄り添うGSで 笑顔も満タン。

2023年1月16日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

 

 

 

 

地域に寄り添うGSで
笑顔も満タン。

 

 

vol.34  伊藤みなみ 20歳

 

 

「なんでもやってみたい!」の精神で給油も担当。

 

 

子どもの頃から「なんでもやってみたい!」と思う性格だと語る伊藤みなみさんが、北上市内で2つのGS(ガソリンスタンド)を手掛ける他、LPガスや給排水・冷暖房空調設備などの工事、リフォームなど幅広い事業を展開する「中野商店」で働こうと思ったのも……。

 

 

「高校生のときにインターンシップを経験したのがきっかけです。

 

 

中野商店では事務だけでなく、お客さまの対応をしたり、集金に行ったりといろいろな仕事があって、毎日同じことを繰り返す仕事は向いていないと思っていた私には合っていると思ったんです。

 

 

それに仕事をしているスタッフのみなさんも楽しそうだったので、私もここで働いてみたいと思いました」

 

 

 

 

そんなみなみさんも事務員として入社してもうすぐ2年。実際に働いてみた感想は?

 

 

「今年(2022年)、『危険物 乙(おつ)4種』の資格を取得したので、今はガソリンスタンドの給油のお手伝いなどもしています。

 

 

先輩たちを見ていると、お客さまから指定された数量に対して端数を出さずに一発で給油できるんですよ。それがカッコよくて憧れていたのですが、私も今では端数を出さずに給油できるようになりました!」

 

 

笑顔でそう語るみなみさん。「危険物 乙 4種」とは、可燃性・引火性の高い危険物を取り扱うために必要となる国家資格で、ガソリンや灯油などを扱うガソリンスタンドで働く場合もこの資格があると活躍のシーンがひろがります。

 

 

もともと好奇心旺盛のみなみさん。ガソリンスタンドが混み合う様子をたびたび目にして、「自分も給油ができたら……」と思ったのがきっかけで、自ら志願してガソリンスタンドの仕事も手伝うようになったそう。

 

 

今後は「オイル交換やタイヤ交換、それに除雪の仕事もしてみたい」と楽しそうに語ります。自慢の「なんでもやってみたい!」精神を発揮し、充実した日々を過ごしている様子がその言葉からも伝わってきますが、実は苦労も多かったそう……。

 

 

▲みなみさんが働く「藤根SS(サービスステーション)」は「まちの小さなガソリンスタンド」として1960年に創業。以来60年以上にわたって地域の暮らしを支えています。

 

 

▲ふだんは1Fにある事務所で電話対応や支払いにきたお客さまの対応など事務作業をしているみなみさん。

 

 

▲ガソリンスタンドが忙しくなると給油も担当。いずれはオイル交換やタイヤ交換などもやってみたいと意欲的。

 

 

「何を言われているかわからない」方言の壁。

 

 

みなみさんは生まれも育ちも北上市。しかも、おじいちゃんやおばあちゃんともいっしょに暮らしており、方言にはそれなりに馴染んでいるつもりでした。

 

 

しかし……。

 

 

「最初は電話を受けても言葉がわからなくて……」

 

 

電話をかけてくるお客さまは日頃から慣れ親しんでいる「中野商店」ということで、苗字と簡単な住所と要件だけを言ってくることも多く、そのうえでわからない方言が飛び出し、さらにそれが早口になると……。

 

 

「何を言われているのか、どこの誰かもわからなくて、最初は本当に苦労しました」

 

 

おまけに最初の頃はまだ仕事にも慣れていないということで、わからないことがあると先輩に電話を替わってもらうこともあったそう。しかし、今では……。

 

 

「もちろん仕事にも方言にも慣れて、今では一人で対応できます」

 

 

 

 

そう言って笑顔を浮かべるみなみさんを支えているのは、お客さまの「笑顔」と「ありがとう」の言葉。

 

 

「中野商店を利用されるお客さまは地元の方が中心で、昔からずっと中野商店を利用されている方が多いんです。

 

 

『バッテリーがあがって動けないから助けに来て』とか『パンクしたから来てほしい』という電話もよくかかってきますし……。そういう電話がかかってくるということは、昔からそういうときに駆けつけていたからだと思うし、そういうことを積み重ねて地域社会に根づいてきた会社なんだと仕事をしながら日々実感しています。

 

 

そういう地元のお客さまに寄り添って働けるところがやりがいですね」

 

 

だからこそ、お客さまの「笑顔」や「ありがとう」の言葉が励みになり、みなみさん自慢の「なんでもやってみたい!」精神も誰かの役に立ちたいと、いろいろな場面でムクムクと沸き起こってくるのでした。

 

 

そして、そんなみなみさんには密かにあたためている大きな目標が……。

 

 

▲社長自ら除雪車に乗って除雪する姿を見て、「除雪もやりたい!」と思ったというみなみさん。この日はその社長と打ち合わせ。

 

 

▲2022年9月に北上駅東口にオープンしたスタイリッシュなコインランドリー「C. The Launderette」も「中野商店」の新しい取り組み。24時間営業で最新型の洗濯乾燥機5基と乾燥機を7基備え、羽毛布団や毛布にも対応するなど使い勝手も良く好評。

 

 

地域のヒトの笑顔ひろがるGSに。

 

 

先にも触れましたが、みなみさんが働く「中野商店」は「まちの小さなガソリンスタンド」として1960年に北上市藤根地区に創業しました。現在では北上市内で2つのガソリンスタンドを運営しながら、LPガス、トイレやキッチン、ユニットバスなど水回りの修理、ボイラーやガスコンロ、エアコンなど住宅設備機器の工事、リフォームなどにも対応。

 

 

さらに2022年9月にはLPガスを取り扱う会社の特性を活かしてコインランドリー事業にも進出するなど、地域の「困った」に応えようと社員一丸となって幅広い事業に取り組んでいます。

 

 

「会社全体がいろんな分野に明るく前向きに挑戦しているところがすごいと思います」

 

 

そう語るみなみさんも、そんな社風に大いに刺激を受けて、また新たに「やってみたい!」ことが……。

 

 

 

 

みなみさんの趣味は、お菓子や料理をつくること。休みの日にはガトーショコラやシュークリームをつくったりしているそう。

 

 

「高校時代は冬休みに親戚の家に泊まり込んで、知り合いのケーキ屋さんの仕事を手伝ったりしていました。クリスマスの時期だったのでホールのケーキが1日に100個も売れるほど忙しい店でしたが、そこでは接客だけでなくお菓子づくりもお手伝いしていましたし、カフェでのバイト経験もあるんですよ」

 

 

そうした経験があるからこそ、地域に根ざしたガソリンスタンドの中に、あったかい飲み物や冷たいドリンクとおいしいお菓子を食べながらホッとひと息つける「カフェのような空間ができたらいいな」と密かに思っているそう。

 

 

とはいえ、まだ入社2年目。

 

 

「まずはオイル交換やタイヤ交換ですね。それに駐車場の除雪もやってみたいし、SNSや広報の仕事も挑戦してみたいです!」と笑顔で語るみなみさん。

 

 

地域に根ざしたガソリンスタンドで、みなみさんの「なんでもやってみたい!」精神は地域の笑顔に向かってすくすくと成長しています。

 

 

▲みなみさんがつくったスウィーツ。自信作は……。

 

 

▲高校時代に在籍した茶道部では、浴衣の着付けも学んだそう。いつかカフェができたら、和の心でおもてなし?

 

 

▲「楽しいヒトばかり」とみなみさんが語る先輩たちと。

 

 

 

 

 

伊藤みなみさんが働く職場:株式会社 中野商店

 

 

岩手県北上市和賀町藤根17-78-5
Tel/0197-73-5328