KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.5 千葉悠太(ちば ゆうた 25歳)

2020年8月12日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

農家になりたい!
子どもの頃からの夢を北上で実現!

 

 

楽しみな企画に暗雲!? 迷宮に迷い込んだ農業男子の現在地。

 

 

「本当なら7月下旬から『とうもろこし畑迷路』をはじめる予定だったんですけどね……」

 

そう言って1ヘクタール(およそ100m×100m)の「とうもろこし畑」に目を向けるのは、平泉町出身の千葉悠太さんです。

 

 

 

 

 

取材に訪れたのは7月17日。本来ならもっと成長しているはずだった「とうもろこし」は、雨の日と低温が続いたせいで順調に生育せず、まだ大人の膝ほどの高さ……。従って7月下旬から予定していた「とうもろこし畑迷路」は……。

 

「天候のことは自分たちではどうしようもないですから」

 

そう言って前を向きますが、それでもやっぱり悔しさは隠せません。

 

千葉さんは北上市内でレタスや人参、小菊などを栽培する「農業生産法人クレアクロップス株式会社」(馬場農園)に入社して4年目ですが、今回の「とうもろこし畑迷路」は会社としても、千葉さんとしても初の試みです。

 

その出発点は、「“食べるヒト”と“つくるヒト”の距離をもっと近づけたい」「農業という仕事をもっと多くのヒトに知ってもらいたい」という想い。「畑で遊ぼう!」をテーマに、一般のヒトに畑で楽しい時間を過ごしてもらいたいと、スタッフ全員で考えた企画でしたが……。

 

 

▲この夏、「クレアクロップス」のスタッフ全員で挑む「とうもろこし畑迷路」のメインビジュアル。

 

▲「とうもろこし畑」にて(7月17日時点の様子)。「料金設定や、1時間に何組受け入れられるかなど、みんなで何度も話し合って決めてきた企画なので、なんとか実現したい」と千葉さん。

 

 

農家になりたい! 子どもの頃からの夢を「クレアクロップス」で実現。

 

 

“食べるヒト”と“つくるヒト”の距離……。それをとても遠くに感じていたのは、千葉さん自身でもありました。

 

千葉さんは、小学生の頃から「農家になりたい」という夢を持ち続けていましたが……。

 

「畑もないし、農機具もないし、そもそもどうやって農家になったらいいのかわからなくて……。工場に勤務しながら、社員として農場で働ける会社があったらいいなと思って探していたときに出会ったのがクレアクロップスでした」(千葉さん)

 

千葉さんが勤める同社は、北上市で5代続く農園。現在の馬場一輝代表は、2013(平成25)年に27歳という若さで先代から経営を引き継ぎ、「農業をもっと若いヒトも憧れるような面白い仕事にしてやろう」と法人化。以降、農業未経験のヒトでも志が同じであれば積極的に受け入れ、近年はICTの活用により「重労働」と思われがちな農業のスマート化も推進するなど、「農業」を現代のスタイルにアップデートしようと奮闘しています。

 

そうした考えに導かれるように、同社には千葉さんに続いて現在27歳、29歳の若い男子が次々に入社。パートさんやアルバイトさんも8名おり、気づけば千葉さんは馬場代表に次いでNo.2の立場に。

 

「任せてもらえる仕事が多くなった分だけ、大変さも増しました。その分、失敗も多くなったんですが(笑)、いろいろチャレンジさせてもらえるので、それがやりがいにもなっています」

 

そう語る千葉さんは農業という仕事に携わって4年目を迎え、「大変さも増した」今でも「やっぱり農業は楽しい」と言って顔をほころばせます。

 

そんな千葉さんに、最近一番うれしかったことを尋ねると……。

 

▲手前が馬場一輝代表。奥が千葉さんを筆頭に、20代の男子で構成された社員トリオ。「世代も近いので、みんな仲がいいですし、楽しく仕事ができています」と千葉さん。

 

▲「クレアクロップス」ではクラウド型農業支援サービス「Agrion」(アグリオン)などを導入し、社内の情報共有と作業の効率化に活用。「今、どこで、誰が、何の作業をしているかがスマホですぐわかるし、前の作業記録も見られるので、とても便利です」と千葉さん。

▲取材に訪れた日は、秋の収穫に向けて畑にレタスの苗を植える作業中。仲間と一緒に。

 

レタス栽培のリーダーとして、みんなの成長を実感。それが喜びに。

 

「クレアクロップス」では春と秋にレタスを収穫し、市内にある大手食品加工工場を中心に、地元のスーパー・飲食店・給食センターなどに出荷していますが、その作業のリーダーを任されているのが千葉さんです。

 

例年、春は5月初旬から6月末までがレタスの収穫時期となりますが、今年は昨年を大幅に上回る収穫量を記録したそう。

 

「レタス畑の面積を昨年より拡大したということもあるんですが、それ以上に良かったのがチームワークです。例年なら朝の収穫を短期のアルバイトさんに頼ることが多かったんですが、今年は昨年と変わらないメンバーで作業ができて、収穫量もびっくりするぐらいあがった。それが、最近では一番うれしかったです」

 

そう言って笑顔を浮かべる千葉さんですが、自分のことよりも「チームワークの良さ」を一番にあげるあたりにNo.2としての自覚を感じます。

 

だからこそ気になるのが「とうもろこし畑迷路」の行方ですが、開催日程が遂に決定! 当初予定していた7月下旬には間に合いませんでしたが、なんとか8月1日から20日まで完全予約制で開催することに。

 

“食べるヒト”と“つくるヒト”の距離をもっと近づけたい。
農業という仕事をもっと多くのヒトに知ってもらいたい。

 

そんな想いから企画した「とうもろこし畑迷路」。案内するのは、千葉さんを筆頭に農業を愛する「クレアクロップス」のスタッフたち。天候の影響で「とうもろこし」の成長は順調ではありませんでしたが、親子でワクワクする時間が過ごせるはず。ぜひこの機会に、畑で思いっきり遊んでみてはいかが。農業の魅力に、きっと出会えることでしょう。

▲レタス栽培の作業風景。

 

▲ちなみに、千葉さんが個人的にうれしかったことは……。「自分で何かつくってみないか」と馬場代表から預けられた5アールの畑。千葉さんが育てた分の売上はすべて自分のものになるそうで、「社内起業」という感じでしょうか。

 

▲何を育てるのか気になるところですが、それは「検討中!」とのこと。 今年の5月に結婚した千葉さんは冬にはお子さんも……。公私ともに夢がひろがります。

 

▲チームワークが自慢の「クレアクロップス」のスタッフ全員で。

 

◇「クレアクロップス」が企画する「とうもろこし畑迷路」の詳細は、こちら!

◇2020年8月11日(火)現在の「とうもろこし畑迷路」の様子は、こちら!

千葉悠太さんが働く会社:
農業生産法人クレアクロップス株式会社(馬場農園)

 

岩手県北上市相去町日香下58-1
Tel/0197-72-7879

◇「農業生産法人クレアクロップス株式会社」については、「きたかみ仕事人図鑑」でもご紹介しています。詳細は、こちら!