KITAKAMI NEWS

【市民ライター投稿記事】「自分だけのお気に入りコースを見つけよう!国見山のんびりハイキングのススメ」

2022年11月2日

市民ライター 三宅 優子

 

 

 

 

 

 

こんにちは、市民ライターの三宅優子です。
ついこの間まで汗ばむような陽気だったのに、急に涼しくなって朝晩は肌寒さも感じる日が続いていますね。岩手の短い夏、今年も本当にあっという間に終わってしまいました。もうちょっと暑くてもいいのに!と思わずにはいられませんが、涼しくなったならそれはそれで、やりたいことがたくさんあります。ブドウのジュースを作ったり、リンゴのジャムを煮込んだり、そして何より真夏の間にはちょっと敬遠しがちだった山歩きやロングコースの散策にはもってこいの季節です。

 

 

今回は、今年私が歩き回ったスポットのなかから、この秋の散策におすすめのスポットとして国見山周辺をご紹介したいと思います。
国見山は標高244メートルのお山です。展勝地レストハウスの東側に広がる丘陵地帯に登山道が複数整備されており、好みに合わせてコース設定することができます。

 

 

 

 

極楽寺駐車場から国見山の展望台へ

 

 

ある晴れた日のハイキングの様子をご紹介します。この日は極楽寺の駐車場を拠点にしてスタートしました。歩き出して2分としないうちに居合わせた方から「さっきクマがいましたよ」と目撃情報を教えていただいたので、早速ひるみます。山に行くときは「いるだろうなあ」という気持ちで行きますが、出会いたくはないですもんね……

 

 

今年買ったクマ鈴だけが頼り。いろいろ調べたものの高い音がいいとか、低い音がいいとか、諸説ありすぎて結局ホームセンターやアウトドア用品店で片っ端から鳴らしてみて、音が遠くまで響きそうで一番好きな音色のものを買いました。が、どうせだったらサイレンサー機能のあるものを買えばよかったなあ、とちょっとだけ後悔しています。クマ鈴ユーザーのみなさんは、どんなものを使っていますか?

 

 

今日は、お昼前に下山して午後はゆっくりするぞ!という計画だったので、極楽寺駐車場から登りはじめて、大悲閣展望台にて早めのお昼ご飯、平和観音さまにご挨拶して極楽寺へもどるという、もうちょっと頑張ってもいいんじゃない?と言われてしまいそうなくらいの「とってもお気軽コース」です。こういう、その時の気分や体力にあわせてちょうどいいコースを設定できるところが、とってもおすすめポイントです。

 

 

 

 

 

 

こんなに身近な場所なのに、季節によっていろいろな植物が見られるのもお気に入り。

 

 

標高はそんなに高くない山ですが、傾斜はなかなかのもの。熱中症予防の水分補給を言い訳にして、こまめに立ち止まり休憩しながら歩いて行きます。

 

 

▲途中にある「胎内くぐり岩」

 

 

胎内くぐり岩までくれば展望台は目と鼻の先です。

 

 

 

 

ついた!

 

 

 

 

 

奥羽山脈を背景に北上の市街地が一望できます。まるでジオラマみたいに小さく見える街並みを指差しながら、「あの辺が私んち!」「職場があの辺」と一緒に登った友達と盛り上がります。

 

 

展望台でおにぎりを食べたら、いざ下山!降りるのが苦手すぎて全然写真を撮れませんでしたが、途中咲いていたお花の名前などをすれ違った登山者の方に教えていただいたりしました。
私はこの日、国見山だけで大満足してしまいましたが、コースがとても豊富で珊瑚岳まで周回したり、スタート地点を憩いの森にしたり、さまざまなバリエーションを楽しめるので、季節を変えて何度も訪れたいお山です。

 

 

 

みちのく民俗村から藩境塚を巡る

 

 

そして、国見山周辺の丘陵地帯に巡らされた登山道はみちのく民俗村方面へも続いています。

 

 

国見山の北側にある珊瑚岳とみちのく民俗村を結ぶコースの途中に「櫓坂挟塚(やぐらざかはさみづか)」があります。みちのく民俗村内の民俗資料館脇の道を少し登っていったところにある「間の沢(まのさわ)挟塚」を見にいったことのある方はかなり多いのではないかと思いますが、櫓坂挟塚はそこからさらに東側の丘陵の上にあります。

 

 

 

 

 

 

 

別の日に歩いたのはみちのく民俗村から 間の沢を経由するルートです。 間の沢挟塚を過ぎてどんどん登っていったところに立っている案内板。

 

 

 

 

 

 

他の塚の位置も記載してくれているので、現在の地形とかつての藩境をイメージしやすくて助かります。

 

 

 

 

 

歩き始めはきちんとした舗装路だったのが、だんだんと荒い山道っぽさを感じるように。

 

 

 

 

道中で見つけた花。あとで調べよう~!と写真だけ撮って帰ってきてまだ調べていないことを、今回記事を書いていて思い出しました。

 

 

 

 

人気のない道で藪から野生のキジが飛び出してきたあたりでさすがに不安になりましたが、なんとか到着しました。

 

 

 

 

櫓坂挟塚です。
北上市内にも点在している、仙台藩と盛岡藩の境界を示す境塚。大小さまざまですが、なかでも警備上重要であった場所には二対一組の挟塚が築かれたそうです。

 

 

現代、北上市には東北新幹線の停車駅があり、秋田自動車道と東北自動車道が交差する交通の要衝となっています。静かにかつての藩境を守っている挟塚の存在は、はるか昔から重要な交通の要の土地であり続けた歴史が現在の北上市に繋がっているのだと教えてくれているように感じました。

 

 

運動はあんまりという方も、健脚自慢の方も自分のペースで自然や歴史を楽しむことができる国見山で、ぜひ秋の訪れを感じてみてはいかがでしょうか?

 

 

※国見山については、 【市民ライター投稿記事】国見山・平和観音のお話 で平和観音建立の歴史について記事にしています。是非こちらもご覧ください!]

 

 

おまけ!

 

 

さて、仙台藩と盛岡藩の藩境、北上市を横断したあとははるか東へ伸びて釡石市の唐丹湾(とうにわん)へつづいています。では西の端はというと?夏油三山のひとつである駒ヶ岳の山頂だそうです。

 

 

ということで、藩境の基点から東側を一望できたら最高なのでは……?と思ったらいてもたってもいられず登ってきました。いつも市街地から眺めているのとは別の角度の夏油高原が見られるかも、という期待もいっぱいです。

 

 

北上市内の夏油温泉側から登るコースもあるのですが、今回はゆるゆる登りたかったので比較的距離の短い、お隣金ケ崎町のうがい清水登山口から登る最もポピュラーな登山道を往復しました。
朝からよく晴れて、青々とした山体が「おいで!」と呼んでいるかのよう。これは期待できそう!と意気込んで駐車場に着くと頭上には灰色の空が広がっていました。なぜ。

 

 

 

 

 

9合目まで来ても、くもっている……

 

 

 

 

登頂!しかし、晴れない。
山頂の駒形神社にご挨拶をしておにぎりを食べながら少し待ってみましたが白い世界は変わらず。前回のスノーシュートレッキングに続き、なんにも見えない……

 

 

 

 

 

2018 年の吹雪のスノーシュー体験、2022 年冬のスノーシューリベンジ(吹雪)(過去記事へリンク)で何も見えなかった悔しさをバネに三度目の正直を目指しましたが、結果見事に二度あることは三度あるになってしまいました。

 

 

いつも見ている山体も違う方角から見るとやっぱり不思議な感じ。次は夏油温泉からのコースに挑戦して快晴のパノラマを堪能するぞー!

 

 

参考リンク:南部領伊達領境塚(北上市)(外部リンク)