KITAKAMI NEWS
何事も一生懸命に90歳でも忘れない挑戦心
(広報きたかみ令和4年9月22日号転載)
何事も一生懸命に 90歳でも忘れない挑戦心
菅原 良郎さん
「趣味があるから元気でいられるのかな」。
そう笑顔で話すのは、66歳から仏像彫刻を始め、最近では展示活動に励む菅原良郎さん(90歳・諏訪町) です。
彫刻を始めたきっかけは、定年退職後にチラシで見つけた鬼剣舞の面作り教室。
約2年間通った後、立体的な物の創作に意欲が湧いた菅原さんは、仏像を見ることが好きだったことから仏像彫刻に取り組みました。
参考写真だけを頼りに独学で始め、88歳まで毎日のように作業に没頭。
1体の制作期間は約1年間で、今までに16体が完成しました。
「削りすぎると失敗するため集中することや妥協しないことが大切」と語ります。
思い入れが強い作品は70歳で制作した金剛力士像。
力強さや険しい形相を表現するのに苦労したそうですが、「岩手県シルバー作品展彫刻の部」ではコンクール初出品にも関わらず優秀賞を受賞。
知らせを聞いた時は飛び上がって喜んだそうで、忘れられない瞬間となりました。
「彫刻は細かい作業のため、心穏やかでないと集中できない。良い環境で暮らせているからこそできる趣味なので、全ての作品は家内との合作」と顔をほころばせます。
先月は自身初の作品展を開き、来月はテクノメッセにも出展予定。
「90歳でこんなことがあるとは思わなかった。今まで頑張ってきて良かった」と振り返ります。
東日本大震災後には木彫の安らぎ地蔵30体を制作して被災地に寄贈したり、老人クラブの会長を2年前まで務めて盛り上げたりと人のために努力を惜しまない菅原さん。
信念は「何事にも一生懸命取り組む」。
現在はマジックの腕を磨いているそうで、いくつになっても挑戦し続ける姿は元気で活き活きとしています。