KITAKAMI NEWS

【20代の肖像】vol.30 ワンちゃんも飼い主さんも笑顔に。

2022年8月31日

きたかみリズム×きたかみ仕事人図鑑

 

 

 

 

ワンちゃんも
飼い主さんも笑顔に。

 

 

vol.30  中野智衿(なかの ちえり) 26歳

 

 

体調が悪くなる前に異変に気づけたら……

 

 

子どもの頃から動物が大好きで、「動物看護師」をめざして東京の専門学校に進んだ中野智衿(なかの ちえり)さんが「トリマーになりたい」と思ったのは、学校の研修で訪れた動物病院で「体調が悪くなったワンちゃんたちがたくさんいる」ことを改めて知ったからでした。

 

 

「動物病院はワンちゃんの調子が悪くなってから行く場所です。でも、ドッグサロンは健康なワンちゃんが行く場所で、そこでならワンちゃんたちの体調の変化にいち早く気づくことができて、体調が悪くなる前に飼い主さんにアドバイスしてあげることもできるんじゃないかと思ったんです」

 

 

智衿さんが一番に考えているのが、「ワンちゃんの幸せ」。最初は「動物看護師」になって体調が悪くなったワンちゃんを助けたいと思ったのですが、次第にもっとその前からワンちゃんのためにできることがあるんじゃないかと考えるようになったのでした。

 

 

 

 

 

 

智衿さんが通っていた専門学校は動物看護分野はもちろんですが、カット、グルーミング、しつけ、飼育管理、アニマルセラピーなど、ペットに関することをトータルで学べます。2年目になると現場での研修が中心となり、智衿さんも最初は動物病院での研修に参加していましたが、トリマーを目指してからは『トリマーになろう』とペットサロンでの研修にばかり参加していたそう。

 

 

トリマーの仕事はシャンプー・ブロー・カットなどの施術を通してペットの容姿を美しく(あるいは可愛く)整える華やかなイメージがありますが、それ以外にも爪切り・歯磨き・耳掃除・肛門腺しぼりなど多岐にわたり、ペットの身体全体から細部までに気を配り、ケアする仕事でもあります。

 

 

智衿さんは、そこに大きなやりがいを感じたのでした。

 

 

「トリマーはワンちゃんの全身に触れる仕事なので、いろいろなことに気づけるんですよ。見た感じは健康だけど、目の色はどうか、肌がカサカサになっていないか、赤みがないか、毛のパサつきはどうか、体臭もちょっと酸っぱい匂いがしたり、酸っぱい匂いにもいろいろありますし、口からアンモニア臭がしたりすることもあります。それにお年寄りになると、イボができていたり、腫瘍ができていたり……。

 

 

そういう変化に早く気づければ、飼い主さんにお伝えして病院に行くなど、早めに対処していただくことができます。そうすればワンちゃんも飼い主さんも長く健康に、一緒に暮らせると思ったんです」

 

 

そんな智衿さんが就職先として選んだのが、ドッグサロン「OLLIE MAGIC」(オーリーマジック)でした。その理由は……。

 

 

▲智衿さんが勤めるドッグサロン

 

▲トリマーとして6年目を迎えた智衿さん。現在は2人の後輩に教える立場に

 

 

 

ワンちゃんも飼い主さんも笑顔に。

 

 

智衿さんが「OLLIE MAGIC」(オーリーマジック)で働きたいと思ったのは、同店が掲げる「ご愛犬と飼主様の幸せと笑顔のために」という理念に共感したから。

 

 

「『ワンちゃんも飼い主さんも笑顔で幸せに暮らせること』という考え方は、私の理想でもあります。就職については岩手に戻って働きたいと思っていて、北上だけでなく盛岡や花巻でも探そうと思っていたのですが、このお店と出会って『ここで働きたい!』と思ったんです」

 

 

 

 

 

そう語る智衿さんですが、最初は不安も……。

 

 

「専門学校ではペットのことをトータルで学んでいてトリマーの勉強もしてはいますが、もともとは動物看護師志望で、トリマー科を卒業したわけではありません。それに研修もたくさん経験してはいますが、お店によって考え方ややり方も違います。ですから最初は戸惑うことも多かったのですが、イチから学ばせてもらおうと気持ちを切り替てがんばってきました」

 

 

トリマー科出身ではない智衿さんにとって、オーナーでもあるキャプテントリマー・藤原直英さんは尊敬する師匠であり、憧れのトリマーでもあります。直英さんは工場に勤務していた20年ほど前に「トリマー」という仕事を知り、それから勉強して2005年にトリマーになった方。しかも、そこからさらに自己研鑽に励み、近年ではトリミングの全国大会で2度も優勝する実力者でもあります。

 

 

「オーナーは技術的にも常に向上心を持って仕事されていますし、ワンちゃんのことをいつも第一に考えていて、私にもそういう目線でアドバイスしてくだされるので、とても勉強になります。

 

 

例えば、ワンちゃんの毛を乾かすときも、私はキレイにしたい一心で毛を乾かしているんですけど、『それだと確かにキレイにはなるけど、ワンちゃんは苦しそうに見えるから』と言われて、自分本位ではなくワンちゃんの身になって考える大切さに気づくことができました」

 

 

そう語ってくれた智衿さん。6年目を迎えた現在は2人の後輩もでき、今度は教える立場にもなるなど責任も増しています。最初は不安もあったトリマーの仕事ですが、現在はどのように感じているのかと尋ねると「楽しいですよ」と即答。その日々は……。

 

▲トリミングの大会で数々の優勝経験を持つオーナーの藤原直英さんのイベントで、オーナーとステージに立つ智衿さん(写真左)。オーナーの藤原さんは2022年4月に開催された大会でも1位に(写真右)

 

▲智衿さんもトリミングの大会に出場し、腕を磨いています

 

▲智衿さんがトリミングを担当したワンちゃんたち

 

 

「うれしい」のその先に。

 

 

智衿さんにとって、いろいろなワンちゃんと触れ合える日々は「うれしい」の連続だそう。

 

 

「ワンちゃんが『ありがとう』と言ってくれるわけではないですけど、トリミングしていると爪切りや歯磨きが苦手なワンちゃんがいたりするんですが、そういうワンちゃんでもお店には尻尾を振って喜んで入ってきてくれたり、蛇口から水が出た瞬間に逃げていたワンちゃんが、今では逃げるどころかお顔を洗うときに気持ち良さそうにしていたりするのを見ると、とてもうれしくなります。

 

 

それにそうやってワンちゃん自身でできることが増えていくと、今度はそれができなくなったとき、異変に気づくきっかけにもなります。前はできた歯磨きができなくなったら、歯周病でお口の中が痛いのかもしれない。爪切りを嫌がったら、爪に何か問題があるのかもしれない……。そういう異変に早く気づけて飼い主さんにもお伝えすることができれば、ワンちゃんの健康にもつながるし、それが『ワンちゃんも飼い主さんも笑顔で幸せに暮らせること』につながると思うんです」

 

 

笑顔でそう語ってくれた智衿さん。たくさんの「うれしい」のその先に、ワンちゃんと飼い主さんの笑顔と幸せな暮らしを思い描いて、智衿さんは今日も笑顔でワンちゃんをお出迎えします。

 

 

▲専門学校時代からペットの「食」についても意識して勉強してきた智衿さんのイチ押しは、安全素材を厳選したナチュラルドッグフード「ルート」

 

▲お預かりしたワンちゃんを元気に飼い主さんの元へ。ここでの情報交換も大切にしている智衿さん

 

▲お店のスタッフみなさんで

 

 

中野智衿さんが働く職場:Dogsalon OLLIE MAGIC(オーリーマジック)(外部サイトへリンク)

 

 

岩手県北上市本通り4-17-6
Tel/0197-64-4005