KITAKAMI NEWS
成人式開催へ 861人の思いをつないだ
(広報きたかみ令和4年2月25日号転載)
成人式開催へ 861人の思いをつないだ
杉澤 梨(りん)さん
新型コロナの影響を受けて1年越しの開催となった令和3年成人式。
その裏側には、仲間と共に署名活動に奔走した新成人代表・杉澤梨さん( 県立大3年・村崎野) の熱い思いがありました。
杉澤さんが式の見送りを知ったのは令和2年12月のこと。
その翌週、「一生に一度の機会が失われた」と落胆や混乱が入り混じる中、涙ながらに市役所を訪問。
新成人たちの声を届けるためのヒントを得ると、仲間と相談して署名活動の実施を決意しました。
ゼロからのスタートとなる署名集めで重視したのは、自分たちを信頼してもらうこと。
SNSの活用をあえて避け、一人一人に直接誠意を伝える形を選択しました。
その結果、新成人の家族や親戚、地域住民などに共感の輪が拡大。
「自分事でないのに皆さんが応援してくれた。そのおかげで最後までやり切れた」と振り返ります。
そして令和3年3月、集まった861人分の署名と請願書を市へ提出。
その思いが届き、開催の意向を聞いたときは「驚いた。背中を押してくれた仲間、署名に協力してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱいになった」と胸中を語ります。
穏やかな印象の杉澤さんですが、自身を「負けず嫌いで、やると決めたら諦めないタイプ」と分析。
その特性は小学4年から続けるソフトテニスにも生かされ、並外れた努力を重ねた結果、高校2・3年時にはインターハイ出場を果たしました。
現在は大学の社会福祉学部で勉学に励んでおり、「心理面をサポートして人生に寄り添える社会福祉士になりたい」と今後を見据えます。
幾多の壁を乗り越え、人生の節目を迎えた杉澤さん。
その目は輝きに満ちていました。