KITAKAMI NEWS
【市民ライター投稿記事】図書館の裏側、少し覗いてみませんか?
月に2~3回は図書館に通い、毎度手に一杯の本を借りてきてしまうほど図書館好きを自負する私ですが、図書館の裏側については全く知りませんでした。
普段なにげなく借りる本が、どのようにして自分の手元に来るのか。
今回は、そんな図書館の本が辿る道のりについて紹介したいと思います。
裏側を快く紹介してくださったのは、こちらの北上市立中央図書館。
そしてこちら、図書館事務室の扉です。
本好きの私は1階に目もくれずに2階の図書館エリアにさくさく行ってしまうので、今回取材に伺うまでこの扉の存在すら認識していませんでした…
こちら事務室の中の様子です。
片付いていないのに…と恥ずかしがる職員の方に無理言って撮らせてもらいました。
この「人が仕事してます」という空間もまたいい。
事務室にいた職員の方は少数でしたが、この空間の雰囲気だけで、図書館は多くの人の支えがあって成り立っているんだなぁ…と常々図書館のお世話になっている身としては感慨深かったです。
まず図書館に本が入ってくる流れは、本屋さんと変わらないのだそうです。
本屋さんの入荷の流れも知らないので、聞かせていただくお話は未知のことだらけ♪
取材なのか、個人的見学なのかわからないほど楽しんでしまいました…いや、ちゃんと取材してきたので紹介続けます!
本の購入の年間計画を立てて発注・入荷し、1階の資料管理用のPCで本に関する情報を入力。タイトル、著者名、出版社…この情報が私たちが読みたい本を検索する際には欠かせないものとなります。
そのデータも、世に出回っている本は「データを買う」のだそうです。手入力するのは岩手県独自の雑誌などローカルなものなど。
とても印象深かったのは、その発注計画が北上市の図書館別に立てられているということ。
北上には「中央図書館」「江釣子図書館」「和賀図書館」の3つの図書館と自動車文庫「ともしび号」があります。
そこの利用者の層に合わせて、入れる本を選んでらっしゃるのだとか。
例えば江釣子図書館は他の図書館に比べて、近くの小・中学生が多く利用することもあり、ティーン向けの書籍を多数保有する、など。
ここまで知らなかったので、めちゃくちゃ感動しました。
自分たちが普段なにげなく手に取り、本に出会うまでにはそんな配慮がなされていたんですね。
特に若い頃に出会った本から受ける影響は大きく、その出会いを演出してくれる大人のセンス次第で興味が結構左右されるものだと思います。
かくいう私も、中高生の頃に図書室の司書の先生に勧められた本や、図書館で出会った本でその後の興味が広がったものが多数ありました。
その中にはタイトルも内容も覚えていないものもたくさんありますが、味わった感動や興奮は今の私を作っているもののひとつ。
当時の自分を思い出しながら、この図書館の裏側はそんな子供たちの未来も創っているのかと思うと、もはや感動の嵐です…!
入荷された本はこちらにて背ラベルとカバーをかけられて、図書館の本棚に並んでいきます。子供たちの一日司書体験でも四苦八苦する作業らしく、わいわいしながら子供たちがカバーかけを楽しむ姿が目に浮かぶようです。
ちなみに慣れた職員の方だと手早くカバーできるようで、お話を聞いていてさすがプロ…と感じました。あらためてなにげなく手に取っている本に、多くの人の手と想いが乗っていることを感じた次第です。
駆け足で眺めてきましたが、そんな本たちが並ぶ図書館の、皆さんがご存じの空間についても、私なりにオススメしたいものがあります。
個人的に好きなのがこちらの席。図書館のどの場所なのか、訪れて探してみてください。
コロナ感染防止対策として窓が開けられているのが、これまた良さを増しています。
晴れの日には、風が通り抜けるたびに葉擦れの音が。
雨の日には、しとしとと降り続く雨音が。
とっても贅沢なBGMとなって、読書にふける私にひとときのやすらぎを与えてくれます。
本を読む方はもちろんのこと、本に触れる機会のあまりない方も、この空間でそっとすごしてみてはいかがでしょうか。
たくさんの人の手・想いがつながって本は図書館の本棚に並びます。
読んでみなくても、そんな想いがこもった本たちに囲まれる空間に身を置くのも悪くないと思います。
図書館は空調もきいている無料の施設なので、それだけでもお得感のある場所です(笑)。
静かな空間に身を置いていると、ふと目に留まる本もあるかもしれません。
なにげなく手に取った一冊の本が、思わぬ運命の出会いにつながることに…なるかどうかはあなた次第。
ちょっとした気づきがあるかもしれません。