KITAKAMI NEWS
【20代の肖像】vol.19 好きな街で、地域に寄り添う仕事を誇りに。
好きな街で、
地域に寄り添う仕事を誇りに。
~vol.19 久保 二千羽(くぼ にちは) 23歳~
人見知りだった自分……。お客さまに支えられて。
生まれ育った北上市が好きだと語る久保二千羽さんが、地元の高校を卒業して選んだ就職先が「北上信用金庫」でした。その理由は?
「高校では簿記や経済、マーケティングなど商業系の勉強をしていたので、担任の先生から『金融機関に挑戦してみないか?』と勧められたのがきっかけです。地方銀行という選択肢もありましたが、そちらだと転勤があるので……」
「地元から離れたくない」と思っていた二千羽さんは、地元・北上市に本店を置く「北上信用金庫」なら転勤もなく、好きな地元でずっと働けると考えたのでした。
従って、「金融機関」の仕事に興味や愛着が特別に強くあったわけでもなく……。
「お客さまと接する仕事だとはわかっていましたが、いざ働いてみると想像以上にコミュニケーション能力が求められる仕事だと気づいて……。私は本当に人見知りが激しくて、最初の頃は『私もう絶対やっていけない』と思っていました」
そう言って笑顔を浮かべる二千羽さん。その当時、「絶対やっていけない」と思った彼女を支えてくれたのが、「お客さま」でした。
「北上信用金庫を利用される主なお客さまは地元の企業や個人の方ですが、みなさんすごくフレンドリーに接してくださって……。慣れないときは最初こそ戸惑いましたが、私がわからないこともやさしく教えてくださるので、私も人見知りなんて言ってないでそういうお客さまのお役に立てるようにがんばろうと思ってやってきました」
そう語る二千羽さんは、お客さまからの「ありがとう」という言葉も励みに。
「例えば預金の窓口を担当していたときは、『何かあったときのために定期積立をやってみてはいかがですか?』というようなご提案をさせていただくのですが、それが実際にお客さまの役に立って、『やっていてよかった』『ありがとう』と言っていただくと、やっぱりうれしいですね」
こうして「お客さま」に支えられて最初の大きなピンチを乗り越えた二千羽さんは、預金の窓口を3年、渉外担当を2年経験し、この春からは融資の担当となりました。その間、地域のさまざまなお客さまと出会うなかで、子どもの頃から見慣れていたはずの街の風景が違って見えるように……。
いつもの街が、大切な街へ。
「通学途中や遊びに行くとき、いつも見ていた会社の建物、お店の看板……。子どもの頃はそれが単なる建物や看板でしかなかったのですが、今ではそこでがんばって働いていらっしゃる経営者の方や従業員の方の顔が浮かんでくるんです」
「信用金庫」は地域の人々が会員(利用者)となって、そこから集まる資金を元手に「お互いに助け合い、地域の繁栄を図る」ことを目的として運営されている協同組織の金融機関です。従って、営業エリアもそれぞれの地域に限定され、主な取引先もそれぞれの地域の中小企業や個人の方が対象となるため、お客さまから預かった資金がそのままその地域の発展に生かされる仕組みになっているのが特徴です。
北上市に本店を置き、北上市・西和賀町・花巻市(一部)・金ケ崎町・奥州市(一部)を営業エリアとする「北上信用金庫」に勤めて6年目を迎えた二千羽さんは、地域でがんばるさまざまなお客さまとの出会いを通して、地域に根ざした金融機関としての使命に大きなやりがいを感じるように。
「私たちのお客さまは、この地域の企業だったり、この地域にお住まいの方だったり、この地域で働いていらっしゃる方です。
私たちの役割は、そういうみなさんからお預かりした大切なお金を、企業や個人の方など地域の必要な方にお貸しして有効に使っていただくお手伝いをすること。
例えばお店をやっている方であれば、店舗を拡大していただくことによって、それがお店の成長にも、地域の方の生活の潤いにもなり、それが地域の活性化にもつながっていくことになります。
そういう意味でも、お客さまの生活はもちろん、地域の暮らしも豊かにするお手伝いができる信用金庫の仕事はとてもやりがいがあります。
最初は金融機関の仕事もよくわかっていませんでしたが、今は地域に根ざし、地域に寄り添う信用金庫の仕事は誇りある仕事だと思っています」
そう力強く語ってくれた二千羽さん。その真っすぐな眼差しは、いつもの街の風景の中にいるお客さまに向けられているのでした。
企業の成長と地域の発展を応援できるヒトに。
最後に二千羽さんに将来の夢を伺うと……。
「将来的には、それぞれの企業に合わせて事業継続や成長のためのご提案ができるようなヒトになりたいと思っています。そのためにはもっともっと経験を積んで、さまざまな資格にもチャレンジしたり、外部の方のお話を伺うのもとても勉強になるので、そういう研修にも参加したりして知見をひろめていきたいです」
そう語ってくれた二千羽さん。相手の目を見て、こちらの質問にも丁寧に応える様子に、「人見知り」で苦労したというかつての姿はありません。そんな感想をご本人に伝えると……。
「いえ、今でも人見知りで、初めての方とお話するのはやっぱり緊張します」と照れ笑いを浮かべる二千羽さんですが、そんな彼女に実は強い味方が……。それが、名前。
「二千羽」と書いて「にちは」と読む珍しい名前は、二千羽さんが生まれた「1998年」に由来。2年後は西暦2000年になることから、新しい時代に羽ばたいてほしいというご両親の願いが込められています。二千羽さんはこの名前をとても気に入っており、また仕事でも助けられているそう。
「初めての方とご挨拶するとき、名刺をお渡しすると珍しい名前なので『どういう意味なの?』と興味を持っていただけるんです。それで名前の説明をすると『だから千ではなく二千なんだ!』という感じで覚えていただけるんですよ」とニッコリ。
現在、2021年。二千羽さんも23歳。「今、羽ばたいていますか?」と尋ねると……。「まだ助走中です」と、また照れ笑い。大空に羽ばたく日も、きっともうすぐです。
◇久保 二千羽さんが働く職場:北上信用金庫 大堤支店
岩手県北上市大堤南一丁目4-23
Tel/0197-67-2332