KITAKAMI NEWS

これからも、山を見守り続ける永遠の少年

2021年4月23日

広報きたかみ

(広報きたかみ令和3年4月23日号転載)

これからも、山を見守り続ける永遠の少年

遠藤 政一さん

 

「山の恵みを味わうことが、登山の楽しみだ」

 

そう笑う遠藤政一さん(78 歳・和賀町岩沢)は、子どものころから山に親しみ育ちました。

そして、16年間務めた自然公園保護管理員としての功績や、自然探索会のガイドなどの普及活動が認められ、4月5日に自然公園関係功労者環境大臣表彰を受賞しました。

自然公園保護管理員は、指定自然公園内の自然景観や動植物の保護・観測のほか、入山者への指導などを行います。

市内では牛形山・経塚山・駒ヶ岳の夏油三山を含む、栗駒国定公園が指定されています。

功労者表彰は、自然公園の保護などで顕著な功績があった人へ贈られており、北上市では初受賞です。

遠藤さんは生まれも育ちも和賀町岩沢。中学生のころから山歩きが大好きで、友だちと登山をしたり、山菜やキノコを採って食べたりと、山に親しみながら生活してきました。

 

和賀町山岳会などに所属し、登山や山岳ガイド、自然観察などを続けた遠藤さんは、定年退職後、自然公園保護管理員に就任。

夏油三山をパトロールして、登山道の点検や景観の定点観測のほか、登山者のマナー啓発に尽力しました。

長年夏油三山を見守っているからこそ、「昔、夏油三山の尾根に藪はなかった。温暖化の影響を感じる」と、自然の変化を憂います。

 

また、馴染みの深い和賀三山(羽山・羽黒山・月山)への思いは特別です。

「初めての人や若い人にも登山に来てほしい」と岩沢駅からほど近い、羽山の登山ルートの整備などを自主的に実施。

案内も買って出るなど、初心者も気軽に登山できるようにと優しさも忘れません。

「ずっと山に関わり続けたいね」と笑う遠藤さん。

その目は、山が大好きで仕方がない少年のようでした。