KITAKAMI NEWS
【市民ライター投稿記事】「読み聞かせ」の世界へ~裏方で頑張っているボランティアの方々のお話~
最近、読書離れが進んでいる中で、なぜ「読み聞かせ」が良いのかを自分なりに考え、取材し、実際に研修会にも参加してみました。
私は、絵本の読み聞かせボランティアとして活動しており、その経験を踏まえながら、自分なりの考え方や、調べてみた結果を書いてみようと思います。
今回が市民ライターとしての初めての記事で、私にとって記念すべき投稿になります。
読み聞かせはいいことだらけ!
読み聞かせには、
- ・言葉の世界に触れる
- ・語彙力を増やす
- ・物語を通して豊かな表現力を育む
- ・登場人物に感情移入することで共感力を養う
- ・集中力を高める
といった、心と脳の発達を促す多くの利点があります。
読み聞かせって誰のため?
ズバリ、親子のためです。読み聞かせの時間は、親子のコミュニケーション、心の交流の時間でもあります。子どもは読んでくれる人とのふれあいを求めています。
「たった15分の読み聞かせ」でもスマホを置いて、親子のコミュニケーションが生まれます。親にとっても子育てのストレス軽減につながる可能性もあるとのことです。
また、専門家の方によると、読み聞かせは小学生で終了するのではなく、ぜひ中学生になっても続けてほしいものだそうです。
図書館の利用もおすすめ!
図書館を利用するのもおすすめです。北上市には3カ所も図書館があり、たくさんの種類の本や絵本があります。見て選ぶだけでも楽しいと感じられる場所です。図書館は、家でも学校でもない“居場所”のひとつです。まずは本(絵本)を手に取ることからスタートしてみてはいかがでしょう?
実際に読み聞かせを行っている現場へ足を運びました!
今年の4月、令和7年度「子どもの読書活動優秀実践校」として文部科学大臣表彰を受賞した、北上市立二子小学校。同校で、月に1回子どもたちに本を読む「読み聞かせボランティア」と、傷んだ本の修繕や図書室の装飾を行う「図書整備ボランティア」の両方を取材しましたのでご紹介します。
「読み聞かせボランティア」って何?
まずは月1回、朝8:15〜8:30の読み聞かせボランティアの活動の様子を取材しました。メンバーは9人ほどいて、取材当日は5人の方にご協力いただきました。

あらかじめ学校側が、どの学年に誰が読むかを割り当てていて、皆さんは慣れた様子で、それぞれの教室で自分が選んだ本を読んでいました。
ボランティア歴15年以上の及川正男さんは、自分でシナリオを考え、創作物語を取り入れているそうです。「辞めろと言われるまでは続けたい」と楽しそうに語る姿が印象的でした。
「時間ができて暇だから」と活動を始めた深沢隆男さんは、読み聞かせと図書整備の両方を担当する、まさに“図書室の二刀流”。「遠野物語の原文での読み聞かせに挑戦してみたい」と笑顔で話してくださり、その情熱がこちらにも伝わってきました。


両親と姉を亡くしたことで心にぽっかり穴が空いて、自分の生活のためにも読み聞かせを続けていきたいと語ってくれた齋藤英子さん。
子どもたちに優しい語り口で読み聞かせをしていた齋藤さんの姿を見て、「ずっと聞いていたい」と感じました。人柄の良さが伝わり、心がほっこりしました。

お子さんが二子小学校に通っていることをきっかけにボランティアに参加した菅原絵美さんは、深沢さんと同様に図書整備ボランティアでもあります。ボランティアをできるだけ続けて、将来、お子さんが大きくなったらボランティアをさせてみたい!!と素敵な夢を語ってくれました。同じく子育て中の私も、思わず共感してしまいました。
菅原さんは自分が好きな本を読み聞かせて、長い話のときには「この続きは図書室で!!」と紹介しているそうで、子どもたちが少しでも本に興味をもてるよう活動していました。

ボランティア歴20年以上の大ベテラン、小原千恵子さんは、市立図書館での読み聞かせ経験もある方です。
「ガヤガヤした教室の空気を、読み聞かせによって一変させることに嬉しい爽快感がある」と自慢してくれましたが、まさにその通り。とにかく手慣れた雰囲気とオーラに圧倒されるほどでした。

取材にご協力いただいた皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
誰一人として「辞めたい」と言う方はおらず、皆さん口を揃えて「これからも楽しく続けていきたい」と話してくれました。
また、読むだけでなく、他のメンバーの読み聞かせの聞き手になってみたいというご意見もありました。
二子小学校の先生方に読み聞かせの成果についてお話を伺いました。
二子小学校としては、
〇学校・地域・保護者が連携して多様な読書活動を推進することにより、学校における図書教育の充実が図られている。
〇児童は、月に一度の読み聞かせを楽しみにしており、読書意欲の向上につながっている。
とのことでした。
一方で、課題として「児童が好んで読む本に偏りが見られる」という点が挙げられました。もっと読書の世界を広げていけるようにしたい。また、ボランティア人材の確保に向けて、呼びかけたいとのことでした。こうした課題は、どこの小学校でも共通していることだと思います。
学校側とボランティアの方々との信頼関係がしっかり築かれているからこそ、連携がスムーズで、長年継続してきた活動が評価され、表彰につながったのだと思いました。

「図書整備ボランティア」って何?
次は図書整備作業として月に2回活動しているボランティアの方々に取材しました。メンバーは6人で作業しており、そのうち2人は先ほど紹介した深沢さんと菅原さんです。
取材した日は、11月12日の「よみっこフェスティバル」用のディスプレイ・飾りつけ作業の日でした。

ボランティア活動に参加して9年目の高橋麻衣子さんは、幼稚園の先生ということもあり、装飾はほぼ彼女が任されていて、まさにプロの仕上がりでした。息子さんが二子小学校に入学した際、当時の担任の先生から勧められてボランティアに参加し、今に至るそうです。自宅でも手作りの飾りつけをするなど本当に楽しそうで、こちらまで気分が明るくなり、お手本にしたいと思いました。


本の修理を始めて約3年目の菊池温子さんは、回覧板でボランティア募集のお知らせを見て、「自分も役に立てれば」と思い参加されたそうです。修理作業を楽しみながらお手伝いしている、なんとも謙虚な方でした。
娘さんの誘いで軽い気持ちで参加し、約3年目の高橋ゆり子さんは、本の修理がメインだそうです。

非常勤講師として短期間勤務した経験があり、二子小学校の子どもたちの成長を見守りたい、何かお手伝いができればという思いで修理活動に参加している田口淳子さん。彼女は幼い頃、本はあまり読まずに育ち、工作や手芸が大好きだったそうです。それでも「赤毛のアン」が好きな本だと話してくれました。
読み聞かせはしていなくても、修理や修繕の活動を通して、子どもたちが本を手に取りやすい環境づくりに貢献している姿は、まさに“縁の下の力持ち”。頭が下がる思いです。

二子小学校の「よみっこフェスティバル」についても取材しました。
まず気になったのは、そのユニークな名前。内容を聞くまでは、子どもたちの学習発表会や文化祭のようなイメージを持っていました。
しかし実際は、読み聞かせボランティアが年に一度、子どもたちの前でいつもより長めのお話を読んだり、人形劇や手品、紙芝居など、テーマに沿った内容でステージ発表をしたりする“お楽しみの日”でした。昨年のテーマは怪談シリーズで、手品などを披露されたそうです。とてもユニークなイベントで、自分も小学生に戻って聞いてみたくなりました。なお、「よみっこフェスティバル」は子どもたちだけが参加するイベントで、保護者には内容を一切知らせず、招待もしないそうです。
以前、「よみっこフェスティバル」に参加していたボランティア団体「おはなしポケット」さんに、内容や感想を伺うことができました。内容は、大型絵本、紙芝居、エプロンシアター、パネルシアター、マグネットを使った演出、BGMを流しながらの読み聞かせなど、子どもたちが少しでも楽しく本に親しめるように工夫をしていたそうです。
また、実際に子どもたちにイベントの感想を聞いて、毎年趣向を凝らし、子どもたちの反応を見ながら楽しんでいたそうです。事前の準備や練習は大変ですが、子どもたちが楽しみにしていると思うと、やりがいを感じているようでした。
取材を終えて
読み聞かせがどれほど大切かということ、そして一人ではなく、周囲の人たちとの協力・連携によりボランティア活動を継続してこられたことが大変素晴らしいと感じました。
みなさんが楽しそうに活動している姿を見て、私自身も良い刺激を受けました。
この取材を通して、自分も読み聞かせを楽しく続けていきたいと思いました。

最後に
二子小学校の先生方、そしてボランティアの皆さま。ご多忙の中、貴重なお時間を割いてお話しいただき、取材に快くご協力いただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
取材協力いただいた学校
北上市立二子小学校
〒024-0104
岩手県北上市二子町鳥喰22-2
TEL:0197-66-2525