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【市民ライター投稿記事】「行くもの」ばかりではない図書館

2022年12月28日

市民ライター 北村 美紀

 

 

私の今年度の掲載は3回目ですが、1回目2回目(内部リンク)に引き続き、大好きな図書館の紹介をさせてください!どうか飽きずにご覧ください。

 

 

皆さんにとって図書館は、「行くもの」ではないでしょうか?
少なくとも私にとってはそうで、せっせと貸出上限数まで借りて、そして返しに行ってそのまま詩歌の森公園で散歩して…なんてサイクルで中央図書館を利用しています。

 

 

だがしかし!

 

 

図書館が来てくれることもあるのです。
その名も「ともしび号」

 

 

北上市が運営する自動車文庫…移動図書館です。
図書館が近くにない方も、気軽に本が読めるように図書館の方から皆さんの近くへやってきてくれます。

 

 

北上市で移動図書館が走り始めたのは今から約50年も昔の1969年。現在の車両は2021年に新しくした3代目で、暮らしに役立つ本や絵本など約3,000冊を積んで走っています。昨年度は約4,200人の方が約58,000冊もの本を借りており、市民の読書生活に不可欠な存在になっています。

 

 

▲出動待機中の「ともしび号」。これからどこへ、誰の元へ素敵な本を届けてくれるのでしょうか。

 

 

▲ともしび号の内部。巡回先では誰でも入れる場所です。しかし、待機中のともしび号に潜入するのは、秘密基地に潜入するみたいで少しどきどきしました。

 

 

移動図書館、略してBM。
移動手段として自動車が使われることが多かったことから、bookmobile…それからBMと呼ばれるらしいです。
図書館で蔵書の場所を検索するときに時々見かける「BM」という名称、今回の取材で謎が解けました。

 

 

 

 

ともしび号で貸し出す本は、行く先の施設の利用者に合わせて職員の方が選んでいます。例えば、子育て支援施設に出向く際には絵本を多めに用意していくそうです。
考えてみれば当然で、ともしび号は限られた量の本しか、持っていけません。

 

 

その話を聞いて、私は少しお弁当箱のようなものを想像してしまいました。
お弁当箱がともしび号で、お弁当に詰められたおかずたちが本、だと思ってみてください。

 

 

お弁当箱を開けた時に、喜んでくれるかな。
普段食べなさそうなものも入れてみたけど、気に入ってくれるかな。

 

 

お弁当って、たくさんの愛情が詰まっていませんか?
何気なく作られて、そして食べているかもしれません。
でもそれは決して当たり前のものではなくて。

 

 

食べる(読む)人のことを考えて、バランスよくいろんなものが詰められている。
だからその出会いを、楽しんで。
ともしび号も、そんな存在に感じてとても愛おしく思いました。

 

 

…と語りつつも、私自身はともしび号を利用したことがないので、その活動は直接目にしていません。実際の活動についての取材も、時間の都合でできてはいません。
しかし中央図書館で待機中のともしび号を取材させてもらい、ともしび号に抱いたイメージは大変あたたかなもので、とてもほっこりしました。

 

 

たとえばこちらの本棚、職員の方のお手製だそうです。
ともしび号を訪れる方に、新刊をわかりやすく紹介するためのもの。こんな気遣い、利用者へのあたたかな気持ちがなければ誕生しませんよね。

 

 

 

 

寒くなり、つい家にひきもってしまいがちな雪の季節がやってきます。
そんなとき、少し思い切ってともしび号に、会いに行ってみませんか。優しい気遣いがたくさんつまった移動図書館は、心ごとあなたをあたためてくれる場所になるはずです。

 

 

ともしび号の利用方法や巡回日程などくわしくはこちら