KITAKAMI NEWS

感性を大切に“季節”を届ける料理人

2022年4月22日

広報きたかみ

(広報きたかみ令和4年4月22日号転載)

 

感性を大切に“季節”を届ける料理人

小野寺 伸也さん

 

本通り一丁目のスクランブル交差点に佇む季節料理店ときよじせつONODERA(オノデラ) の店主、小野寺伸也さん(44歳・奥州市)。

令和2年から、病気や障がいなどで花見ができない人の自宅や施設に展勝地の桜を届ける活動「つながる北上さくらプロジェクト」を主催しています。

 

 

同プロジェクト実行委員会は小野寺さんが役員を務める株式会社アリーブのほか、農家や医療用ガス製造販売業者、医療関係者、花関連業者など多様な委員で構成。同店の特別ディナーメニューの売り上げの一部や寄付金などを元に桜を届けており、3年目の本年度はがん患者宅やグループホームなど4件に提供します。

 

きっかけは、同実行委員でもある花関連業のLamb’s (ラムズ)が飾った生花に感動したこと。

「植物はハーブくらいしか詳しくない」という小野寺さんでしたが、市内の飲食店で一斉に桜を開花させたら観光事業になると着想し奔走。

予算などの課題から一時停滞しましたが、同委員でホームクリニックえんの高橋美保師長の「末期がん患者に桜を持っていきたい」との話を転機に、現在のプロジェクトの形になりました。

 

 

小野寺さんは「病気などで辛い思いをするご本人だけでなく、ご家族の癒しにもなる大切な時間」とプロジェクトの意義を語ります。

自身も祖父や父をがんで亡くし、その経験が活動の推進力に。

「桜を提供してくれる人、賛同してくれる飲食店や企業など仲間を集め、活動を継続したい」と今後の展望を話します。

 

 

料理人としては季節感と素材を生かすことにこだわり、「新しい食材や味を知ってもらうなどお客さまが楽しいと思う店作りをしたい」との思いも。

その感性と思いを原動力に活動を続けます。